◆ No one matters but you 7 ◆ ページ25
瞠目する双眸に一瞬で憤怒が宿る。腰に付けた護身用のハンドガンを取りだし、慣れた手つきで
痛みに絶叫する男。力が緩み、怯んだ隙に振り絞った力ですぐさま身体を翻し、男の痩せこけた頬に今迄の鬱憤を晴らすように拳をめり込ませた。
「Aッ！！」
「だるまさん…」
男は呆気なく白目を剥き、その場に力無く倒れ込むとすぐさまだるまさんが駆け寄ってきて、自身の赤スーツを私の肩にかけてくれた。
…良かった。背中、見られなかった。
安堵する間もなく、華を焼べるように震える両手で優しく抱きしめられた。
「ごめん」と謝罪の言葉が耳許で何度も繰り返され、初めて聞く弱々しく消え入りそうな声に胸が痛くなる。
「助けてくれてありがとうございます」
だるまさんに抱きしめられた瞬間から、身体がもう安心だと判断し全身の力が緩み始め、彼に身体を委ねる。
先程まで襲われていたのに、恐怖は一瞬で取り除かれ、冷たかった身体に温もりが戻ってくるのが分かる。生まれた負の感情が薄まり、変わっていく。
「だるまさんが来てくれたお陰で本当に大丈夫ですから…ね？謝らないでください。むしろ、御礼言わなきゃいけないのは私です。来てくれて、本当にありがとうございます…でも、なんで来てくれたんですか？」
「渡したスマホにGPS機能があって、いきなり途切れたから何かあったんじゃないかって…抜け出してきた」
「ちょっと気になる部分がありますけど今回は助けられたので文句は言えませんね」
助けに駆け付けてくれた彼が責められるなんて有り得ないのに自分が許せないのだろうか。
本当に…変わってて、意味が分からない程に優しい人だ。
背中を撫でるように叩き、大丈夫だよとアピールするとだるまさんはゆっくりと離れていき、殴打が目立つ私の顔を見るなり自身の顔を顰めた。
「その傷ッ…！」
「動揺した内に思いっきり殴られちゃって…さっき殴り返しましたけど」
場を和ます為に笑えば、逆にだるまさんの顔は恐ろしくなっていく。だが、一旦は感情を押し殺すと「手当しに行こう」と軽々と姫抱きされた。そこそこ重いはずなのだがそれを感じさせない安定感がある。
「…に、俺とAの回収頼む。アルスさんは居ないか…なら、セリー頼む。葛葉は男を警察にバレないように回収して。俺も後から向かうから」
「あの…私、歩けます」
「腹貰ってるでしょ。駄目」
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
