◆ No one matters but you 6 ◆ ページ24
「あぐっ…！」
スマホに全神経が向いていたせいか、不意に殴られた衝撃は凄まじくそのまま意識が飛びかける。肉体から離れていく意識をどうにか繋ぎ止めるが頭がくらくらして、上手く思考が纏まらない。
男の異常な発言が全て遠く、雲がかったように聴こえる。
何をしようとしているのか全く分からない。視界がぼやけて、白がかった世界に迷い込んでしまったらしい。
動かなくなった瞬間、男は自分の目的さえも忘れたのかすぐさまある快楽に手を出す。白いブラウスを力任せに引き裂き、脂汗が溢れた顔面を近付ける。
ぐったりとした身体を反転させ、うつ伏せにするとスカートに手をかけた。スカートに付いているファスナーの存在が目に入らないのか、上等な生地のスカートを強引に引きちぎろうとしていた。
あぁ、最悪だ。
この男に関わったら本当にろくな事が起きない。
「ぐっ…！？」
髪を後ろへ引っ張られ、上半身が仰け反る。
ビリビリとブラウスが更に破かれる音が鮮明に聞こえ始めた。そして、纏っていた布は下着のみとなり、肌を震わせる冷気が更に意識を覚醒させる。
「あはっ、あはははは！！」
男は私の背中を見るなり、下卑な高笑を裏路地に響かせた。
｢気持ち悪い！気持ち悪い！気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い！！気持ち悪い！！気持ち悪いな、お前の背中！あははははははは！！」
耳に劈く分かりきった罵倒の連呼。
傷付く心は持ち合わせていないが不快という感情が僅かに侵食する。
早く終われ。せめて、早く終わってくれ。
そう願いながら、静かに意識を手放そうとした。
「…お前、何してんの？」
その声は酷く静かであり、驚愕と怒気に満ちていた。
聞けば誰もが戦慄し、呼吸がまともに出来ているかも分からなくなるだろう。だが、目の前の狂乱者には届かず、聴こえたのは私だけ。
だが、私は普通の人なら戦慄するであろう声を聞いた瞬間、罪悪感と同時に欣然としてしまった。目頭が熱くなり視界を歪ませる。1粒の涕涙が頬を伝うとはっきりと彼の姿が見えた。
「だるまさ…なんで…？」
どうして、ここにいるの？どうやってここにきたの？
今日は大事な話し合いがあるんでしょう？
沢山の疑問符が浮かぶ中で、私は運命を紡ぎだす三柱の女神を呪う。
どうして、貴方が助けにきてしまうの？
これ以上、私は…どんな思いを持って、あの人を突き放さなきゃいけないの？
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
