◆ No one matters but you ◆ ページ19
｢ねぇどういうこと。この写真…！私が働いたお金で、他の女の子と遊んでたの？信じられないっ…本当に信じられない…！！あんだけ好きって言っておいて、全部嘘ってこと…！？｣
｢はぁぁぁあ。もう誤魔化しようねぇか｣
｢…って。出てって！私の家から！あんたの顔なんて二度と見たくない！！早く！ここから！！…がッ…！？｣
腹にめり込んだ拳は急所に当たり、喰らった瞬間に膝から崩れ落ちる。腹を抑え込む私を見下し、イラつきを隠す事無く敵意に満ちた目で男は再び蹴りあげると胸ぐらを掴んだ。
｢誰がお前みたいなブス好きになるかよ。一緒に暮らしてやってるだけ、俺に相手してもらってるだけで満足してろよ。…元はと言えば好きって言えば簡単に金を出すお前の方がやばいんじゃねぇの？責任転嫁してんじゃねぇぞ！｣
咄嗟に手を伸ばし、スマホを手に取ると救助信号を背の後ろで送る。
その間にも怒号が鼓膜を震わせ、頬に強烈な殴打を打ち込まれた。此方も数度殴り返したが決定的なダメージとは言えず体制不利になった途端に何度もぶたれた。
倒れたまま、髪を掴まれずるずると玄関まで引き摺られる。
｢い"たいっ…
｢まぁお前みたいな奴を好きって言う物好きがこの世にいる訳でさ…金にならないならお前の体を売るしかねぇわ。潮時だと思ってたし、どっかに売り飛ばすか｣
いつも身を案じてくれて、優しい言葉をかけてくれて、｢好き｣って言ってくれたのに…あぁ全部、嘘だったんだ。
最悪だ。初めての彼氏がこんなクソ野郎だったなんて。
｢お前を最初から好きだと思った事1度もねぇよ。勘違いしてんじゃねぇよ頭お花畑女が｣
深く傷付いた心からどくどくの流れていく血。
全ての日々を褪せて、壊れていく。
消えてしまえ、こんな思い出。
___________あぁもう、全部どうでもいいや。
ガチャ、と男がドアを開ける前に外側からドアが開く。
ドアが開いた瞬間に白い残像を引かせながら、飛び込んでくる何かが男の頬に自身の鉄拳を喰らわせた。油断していたのか男はたった一つのパンチで気絶しその場に倒れる。
｢おっと〜…すみませんねぇ。ちょっと手が滑ってしまって｣
｢らっだぁ…？｣
｢今、手当する｣
｢…めっちゃナイスパンチ｣
｢んふ、だろ〜？｣
｢また、あの夢か…最悪｣
カーテンの間に差し込まれた日差しを睨み付けながら、重い溜息を吐き出す。
最近よく見るようになった夢に今も魘されている。
最悪によって始まる朝が憎い。
◆ No one matters but you 2 ◆→←◇ You mean the world to me 9 ◇
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
