◇ You mean the world to me 3 ◇ ページ12
夜風に心を奪われながら、舗装された道を歩き続ける。
時折葛葉さんが話しかけ、暇を潰していると物凄いスピードを出しているバイクが通過。直後、急ブレーキを掛けたらしく、タイヤがすり減る音が響き渡った。そして、また発進。
そのバイクはまた、歩を進める私の隣へ違法駐車。
バイクをその場で乗り捨て、駆け寄ってきたのは焦燥に駆られているだるまさんである。
「A！なんで外出歩いてるん！？」
「今日は飲んでたので…メッセージも送ってますよ？」
「来た1秒後に見たけど！もう家着いてると思ってたから！駄目でしょ、こんな時間に女の子1人に出歩くなんて…！はぁぁぁ…葛葉から連絡貰った時、心臓飛び出たよ！？」
「過保護なお母さんじゃないんですから…」
酔っているせいか、はたまた危険を見ないフリした自由を縛られたくなかったのか分からない。ぷいっと顔を背け逃げるようにその場から駆け足で離れ、少し距離を取るとゆったりとした歩調に戻す。
だるまさんは葛葉さんに「葛葉ほんまありがと。戻ってええよ」と言って、葛葉さんを返すと慌てて私の後ろを歩き始めた。
「なに？今日は散歩したい気分なん？」
「そうです。そういう気分です」
「ま、俺がおるしええか。何歩でも何分でも歩いてえぇよ。次、夜出歩く時は俺を絶対呼ぶこと…いい？」
言う事がお母さん過ぎるギャングのボスの問い掛けに答える事はしない。
代わりに振り向けば、だるまさんはピタッと足を止める。
「私、声は掛けられますけど襲われたりはしないんです。この街は危険って充分分かっていますけど、ほら、私って可愛くないですし綺麗でもない。だから、元彼にいいように使われて…。まぁ、私に危険とか無いんです。あるとしても、強盗に巻き込まれるとか流れ弾が当たるぐらいです。そうなったら、全力で逃げますけど」
身体を反転させ、再び舗装された道を歩き始める。
元彼の話が出たので自分が酔っているなと自覚できた。酔いを完全に覚ますにはもう少し時間が掛かるらしい。
余計な事を話してしまったなと自省しつつ、先を進んでいると、
「じゃすぱ、おる？今から言うところに車置いててくれ。ちょっと行った先に俺のバイクあるからそれで帰って」
黙り込んでいただるまさんが肩に付けた無線機に話しかける。
何をしてるんだろう、と呑気に考えて、細波に耳を傾けていると
｢えっ？｣
___いきなり、後ろから口を大きな手で塞がれた。
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うぱ(プロフ) - 設定とか言葉遣いとかとにかく全部が好きで一気見しちゃいました。特に不穏でこわこわなボスが大好き過ぎて何度もそこを読み返してます。臨場感が凄くて読んでいる時凄くドキドキしました。これからもこりんさんの作品を楽しみにしております。 (12月20日 23時) (
レス) @page14 id: ea61eec359 (このIDを非表示/違反報告)
こりん(プロフ) - ガガさん» コメントありがとうございます。そのように仰って頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！こちらこそ、作品を読んで頂き誠にありがとうございます。更新頑張って参ります！ (11月10日 19時) (レス) id: 56f635f916 (このIDを非表示/違反報告)
ガガ - とっっても面白いですわくわくして読んでます、続きが本当に楽しみです！！更新を楽しみにお仕事頑張れそうです、素敵なお話ありがとうございます🙏 (11月6日 13時) (レス) @page30 id: cfa21872f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こりん
| 作成日時：2023年10月29日 17時
