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「うわぁ…!!すごい…人がこんなに…!!」



Aが、キャッキャとはしゃぐ。


俺と手は繋いだまま、俺の横で目をキラキラさせて街を見ていた。



遊廓にいた時は、店から出られなかったのだろう。



「冨岡さん冨岡さん!!お団子屋がありますよ!」



ニコニコと、俺の手を引きながら笑うAは、


一番最初に見た時のAよりもずっと、愛おしかった。



義「…好きなのか」


「いえ、食べたことがなかったので、食べてみたかったんです!」



遊女というものは、団子すら食べさせて貰えないものなのか…。



俺自身は遊廓に行ったことが無いし、

遊女がどんな苦悩を抱えているのかはよくわからない。



ただ俺は…


ひたすらに、Aを笑顔にしてやりたい。



義「…団子と抹茶を、2つ。」


「えっ、冨岡さん…いいですよ!悪いですし…」



幸せだと、心の底から笑ってくれたら、他に何もいらない。



義「…俺が食べたかっただけだ。」



Aが、俺に身請けされて幸せなのかはわからない。



俺は喋るのが好きではないし、

(胡蝶曰く)笑うのも得意ではない。



「……そうですか…。ありがとうございます!」



でも、今見せているこの笑顔が、


俺が引き出したものならば、少しくらい自信を持っても構わないだろう。



床机で、俺の隣に座るなりワクワクした様子のAは、やはり可愛らしい。



『お団子と抹茶でございます。』


「うわぁ…!冨岡さん、このお団子は色によって味は変わるんですか!?」


義「梅、すあま、よもぎだ。」



桃色、白、緑の順に刺さった団子を手に取りながら、無邪気に聞いたはいいものの、



「……へぇ!そうなんですね!」



恐らく、どんな味か検討はついていなさそうだ。



Aは、いただきます、と呟くと梅の団子を一口で頬張った。


口に合うのだろうか、とじっとAを眺めていると、

Aは目を見開いて、俺を見る。



…それは、どんな表情だ?



「〜っ!!美味しい!」



頬張った団子を飲み込んでから一言目。



幸せそうにふにゃふにゃと笑った顔は、

とても、とてつもなく愛おしかった。



義「…そうか。よかった。」



俺が、店の窓越しに初めてAを見たあの時の笑顔より、


今の顔の方がずっと綺麗だ。



なにより、俺の隣にいる。



ずっと守っていきたい。


俺のそばに置いておきたい。



…こんな気持ち、初めてだ。





玖→←漆



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設定タグ:冨岡義勇 , 鬼滅の刃
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さき - こちらの冨岡さんが理想の冨岡さんすぎて。何度も読んでます。続きが読みたいです…! (2021年2月1日 23時) (レス) id: 1a1bc3817e (このIDを非表示/違反報告)
冨岡義勇が大好きな人 - もう更新されないんですか?更新楽しみに待ってます。いままで見た鬼滅の刃の作品で1番です! (2020年5月2日 10時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 鬼滅の作品で一番好きです。続き待っています。 (2020年4月27日 6時) (レス) id: 333fde5e7d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - とても面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください、楽しみにしています! (2020年2月2日 21時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - めっちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます♪ (2020年1月17日 1時) (レス) id: 4dded7b614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽ。 | 作成日時:2019年12月24日 23時

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