漆 ページ7
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義「…洗い物が終わったら、街へ行こう。」
「あ、はいっ…ご馳走様でした。ありがとうございます。」
冨岡さんは、手馴れたように食器を片付ける。
そして、汲んできたであろう井戸水で、洗い物を始めた。
…そうだ。
冨岡さんが洗い物をしてくださってる間に、布団を畳んでしまおう。
布団なら、遊廓で幾度となく畳んできた。
私がテキパキと畳んでいると、冨岡さんは洗い物が終わったのか、それに気付いた。
義「…俺がやる。」
「大丈夫です！これくらいやらせてください。」
私はよっ、と布団を抱え、
“何処にしまいますか？”
と尋ねると、
冨岡さんはすっと押し入れの襖を開けてくれる。
義「…すまない。」
「いえ、慣れてますんで。」
美味しい朝餉も作っていただいたし…
これから、着物も買ってもらうのなら、これくらいはね。
私がササッと、寝ている間に乱れた着物を軽く直すと、
冨岡さんは玄関へ向かった。
あ、もう行くのかな…？
私も遅れないように、冨岡さんに付いていく。
「…うわぁ…。」
外に出ると、昨日は夜だったからよく見えなかった景色がよく見える。
木が、葉っぱが沢山ある。
窓からしか見ることが出来なかった景色だ。
私がキョロキョロしながら歩いていると、
冨岡さんはグイッと私の腕を掴むから、びっくりした。
義「転ぶぞ。」
あ、転ばないようにしてくれたんだ…。
私、そんなに危なっかしいのかな…？
「すみません…ありがとうございます…。」
恥ずかしいな…。
私は照れたのを誤魔化すために、えへへ、と笑った。
冨岡さんはそんな私を見て、パッと掴んでいた腕を離す。
義「…早く行こう」
そう言って、私に差し出してくれたのは、
冨岡さんの左手だ。
これ、手繋いでいいってこと？
「…はいっ！」
私は、普通の女の子になれたみたいで嬉しくて、
冨岡さんの左手を、右手で握った。
多分、今の私の顔はヘラヘラと笑って、
少し気持ち悪いだろう。
こんなに胸がギューッとなるような嬉しい気持ち、初めてだ。
楽しい。
外の世界を、元々普通の女の子だったかのように、歩けている。
どれもこれも、冨岡さんのおかげだ。
「…ありがとうございます、冨岡さん。」
冨岡さんはまた、私を見てふんわりと微笑んでくれた。
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さき - こちらの冨岡さんが理想の冨岡さんすぎて。何度も読んでます。続きが読みたいです…！ (2021年2月1日 23時) (
レス) id: 1a1bc3817e (このIDを非表示/違反報告)
冨岡義勇が大好きな人 - もう更新されないんですか？更新楽しみに待ってます。いままで見た鬼滅の刃の作品で1番です！ (2020年5月2日 10時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 鬼滅の作品で一番好きです。続き待っています。 (2020年4月27日 6時) (レス) id: 333fde5e7d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - とても面白いです！！大変だと思いますが更新頑張ってください、楽しみにしています！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - めっちゃ面白いです！！更新楽しみにしてます♪ (2020年1月17日 1時) (レス) id: 4dded7b614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽ。
| 作成日時：2019年12月24日 23時
