鮭大根と花一華【冨岡義勇】

拾漆 ページ17

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「あの…」



私は2人に、ずっと聞きたかったことがあった。


同僚の2人にしか、聞けないことだ。



「義勇さんって、どんな人…ですか？」



義勇さんはあまり言葉を紡ぐのが得意ではないから、

丸2日…


いや、正確には1日半ほどの時間を共にすごしても、わからないことが多い。



一体、どんなお方なんだろう？



し「…どんな人、と言いますと…」


蜜「いつも一人でいて、誰かと連んだりはしない人かしら？」



義勇さん、いつも一人なんだ…。


確かに、万人と仲良くするタイプでは、ないよなぁ…。



し「あとは言葉足らずですね。肝心なところが抜けるので、たまに何言ってるのかわからないです。」


「あぁ…それはありますね…。」



話通じてないのだろうか？と思うことは、多々ある。


でも、優しさを持って接してくれるのがわかっているから…

言葉足らずでも、なんとなく言いたいことは分かる。



蜜「あと柱の皆に嫌われてるわ！」


「………柱？」



嫌われてることにもびっくりしたけど、

甘露寺さんの言った“柱”という言葉が、気になった。



柱の皆…？


どういうことだろう？



し「……あ〜、えっと…仕事での階級です。詳しいことは冨岡さんから聞いて下さい。自分で話したいでしょうから。」



階級…

階級のあるお仕事…ってなんだろう？


しかも、独特の呼び方だなぁ…。



それに、嫌われてるんだ…。



「義勇さん、嫌われるような人ではないような気がしますけど…。」



あまり、上手くやっていけてないのかな？



でも…そんなに人付き合いが嫌いではなさそうだし、

そもそも人付き合いが嫌いなら、私を身請けしたりしないだろうし。



し「…まぁ、これからわかります。」



胡蝶さんは、意味深な顔でにこり、と笑った。


すると、今度は甘露寺さんが私に食い気味になって話を始める。



蜜「ねぇねぇ！Aちゃんは冨岡さんのどんなところが好きなの？
私も好きな人がいるんだけど、女の子同士で恋のお話するの夢だったの〜！」


「あ…いや、私まだ義勇さんのこと好きなのかどうかはわからなくて…。」



何度も言うけど、出会ったの2日前だし……。



恋、してるのかな？


義勇さんが私に向けてくれる感情にはまだ程遠いとは思うけど…



「…でも、すごくすごく、優しいです。」



義勇さんが私に笑いかける顔も、

私を心配する声も、

私に触れる手も、


全部全部、優しいんだ。





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