拾参 ページ13
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「義勇さん、明日はどこか行くんですか?」
義「…明日は仕事だ。」
夕餉の鮭大根を食べながら、義勇さんはそう言った。
そういえば…
結局、義勇さんってなんのお仕事しているんだろう?
義「…明日、家に胡蝶ともう1人同僚が来る。」
聞こうと思ったけど、その前に義勇さんが話を始めてしまった。
…聞きそびれちゃったな…。
「あれ?でも明日義勇さんはお仕事なんですよね?」
家に来たところで、義勇さんはいないんじゃ…?
そもそも、同僚の方がいらっしゃるなら…
私は家にいていいのだろうか。
義「…俺がいない時は暇になるだろう?」
「え…。」
確かに、私はずっと遊廓にいたから…
1人で外に出ることも出来ないし、
友達もいない。
…そんな、気遣いをしてくれるなんて。
義「…嫌だったか?」
「…いえ!すっごく楽しみです!」
私が笑ってみせると、
心做しか、義勇さんが安心した顔を見せた気がした。
胡蝶さんともう1人か…
女の人なのかな?
女の人の友達、今までいなかったからなぁ…。
男の人もいなかったけど…。
それこそ男の人なんて、義勇さん以外と喋れる気がしない。
まだ遊廓を出て2日しか経っていないけれど…
義勇さんは、何故か信用出来る。
昨日だって、私に背を向けて寝ていたし、
手を繋ぐ以外にスキンシップはほとんどない。
それに、こうして私の為を思ってくれる。
「…義勇さんには、感謝してもしきれません。」
義「…こちらこそ、だ。」
私は、義勇さんになにをしてあげられるのかわからないけど、
義勇さんが私を身請けして、
私と一緒にいて…
幸せだと、思ってくれたら嬉しいな。
義「…明日も早い。食べ終わったら寝よう。」
「はいっ!朝はして頂いたので、洗い物私がやりますね。」
私の言葉に、義勇さんは少し考えてから、
義「……俺が洗うから拭いてくれ。」
と言った。
別に、やるのになぁ…。
朝もそそくさと片してしまったし、
洗い物だけは頑なにさせて貰えないようだ。
もしかして…
遊女だったから、洗い物もまともに出来なそうだと思われてる…?
「流石の私でも、洗い物はできますよ…?」
義「…いや、そうじゃない。」
じゃあなんで?と、私は首を傾げる。
義「…手が、冷える。」
義勇さんはそう言った。
義勇さんはいつも私を大切にしてくださるから、なんだかお姫様になった気分だ…。
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さき - こちらの冨岡さんが理想の冨岡さんすぎて。何度も読んでます。続きが読みたいです…! (2021年2月1日 23時) (レス) id: 1a1bc3817e (このIDを非表示/違反報告)
冨岡義勇が大好きな人 - もう更新されないんですか?更新楽しみに待ってます。いままで見た鬼滅の刃の作品で1番です! (2020年5月2日 10時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 鬼滅の作品で一番好きです。続き待っています。 (2020年4月27日 6時) (レス) id: 333fde5e7d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - とても面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください、楽しみにしています! (2020年2月2日 21時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - めっちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます♪ (2020年1月17日 1時) (レス) id: 4dded7b614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽ。 | 作成日時:2019年12月24日 23時