検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:84,521 hit

拾参 ページ13






「義勇さん、明日はどこか行くんですか?」


義「…明日は仕事だ。」



夕餉の鮭大根を食べながら、義勇さんはそう言った。



そういえば…


結局、義勇さんってなんのお仕事しているんだろう?



義「…明日、家に胡蝶ともう1人同僚が来る。」



聞こうと思ったけど、その前に義勇さんが話を始めてしまった。


…聞きそびれちゃったな…。



「あれ?でも明日義勇さんはお仕事なんですよね?」



家に来たところで、義勇さんはいないんじゃ…?



そもそも、同僚の方がいらっしゃるなら…

私は家にいていいのだろうか。



義「…俺がいない時は暇になるだろう?」


「え…。」



確かに、私はずっと遊廓にいたから…


1人で外に出ることも出来ないし、

友達もいない。



…そんな、気遣いをしてくれるなんて。



義「…嫌だったか?」


「…いえ!すっごく楽しみです!」



私が笑ってみせると、

心做しか、義勇さんが安心した顔を見せた気がした。



胡蝶さんともう1人か…

女の人なのかな?


女の人の友達、今までいなかったからなぁ…。


男の人もいなかったけど…。



それこそ男の人なんて、義勇さん以外と喋れる気がしない。



まだ遊廓を出て2日しか経っていないけれど…

義勇さんは、何故か信用出来る。



昨日だって、私に背を向けて寝ていたし、

手を繋ぐ以外にスキンシップはほとんどない。



それに、こうして私の為を思ってくれる。



「…義勇さんには、感謝してもしきれません。」


義「…こちらこそ、だ。」



私は、義勇さんになにをしてあげられるのかわからないけど、


義勇さんが私を身請けして、

私と一緒にいて…


幸せだと、思ってくれたら嬉しいな。




義「…明日も早い。食べ終わったら寝よう。」


「はいっ!朝はして頂いたので、洗い物私がやりますね。」



私の言葉に、義勇さんは少し考えてから、



義「……俺が洗うから拭いてくれ。」



と言った。


別に、やるのになぁ…。



朝もそそくさと片してしまったし、

洗い物だけは頑なにさせて貰えないようだ。



もしかして…

遊女だったから、洗い物もまともに出来なそうだと思われてる…?



「流石の私でも、洗い物はできますよ…?」


義「…いや、そうじゃない。」



じゃあなんで?と、私は首を傾げる。



義「…手が、冷える。」



義勇さんはそう言った。



義勇さんはいつも私を大切にしてくださるから、なんだかお姫様になった気分だ…。





拾肆→←拾弍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (214 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
491人がお気に入り
設定タグ:冨岡義勇 , 鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さき - こちらの冨岡さんが理想の冨岡さんすぎて。何度も読んでます。続きが読みたいです…! (2021年2月1日 23時) (レス) id: 1a1bc3817e (このIDを非表示/違反報告)
冨岡義勇が大好きな人 - もう更新されないんですか?更新楽しみに待ってます。いままで見た鬼滅の刃の作品で1番です! (2020年5月2日 10時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 鬼滅の作品で一番好きです。続き待っています。 (2020年4月27日 6時) (レス) id: 333fde5e7d (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - とても面白いです!!大変だと思いますが更新頑張ってください、楽しみにしています! (2020年2月2日 21時) (レス) id: 41deac151f (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - めっちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます♪ (2020年1月17日 1時) (レス) id: 4dded7b614 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽ。 | 作成日時:2019年12月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。