４話 ページ6
Aside
部屋に戻ってきたが頭の中はまだ混乱していた
桜姫…
実は兄弟達には話したことがなかったが物心ついた頃から薄々気づいてはいた
生まれた時からあるこの胸のあざ
桜の紋章は桜姫のものではないのかと
でも誰にも話すことが出来なかった
幼い頃に読んだ書物に過去に桜姫が原因で戦争になりフィオーレ王国が消滅の危機にあったと書かれていたからだ
もし私が桜姫だと知ったら兄弟達から嫌われてしまうのではないか
両親から見放されてしまうのではないかと
そう思うと怖くてずっと言えずに桜のあざを隠してきた
あぁ…
ついにお兄様達に嫌われちゃうのかな…
私の居場所はもうないのかな…
自然と涙が溢れてきた
「…ない…で…」
３人『！？』
「私のこと…っ…嫌いにならないで…っ…」
アキト「A…？」
ユキナ「何言ってるのっ！嫌いになるわけないじゃない！！」
そう言ってお姉様は優しく抱きしめてくれた
「え…？」
アキト「あぁ、俺たちがAを嫌いになるわけがない」
アキト兄様は優しく手を握ってくれた
カイト「何を言い出すかと思えば…今までずっと一人で悩んできたんだな。でも大丈夫だ、お前は一人じゃない」
カイト兄様は頭を撫でてくれた
「でも…っ！昔、桜姫のせいで国がほろびそうになったことがあるって！私がいたら国が…」
ユキナ「過去に戦争の火種になってしまった桜姫がいたのはたしかよ。でも本来、桜姫は国に平和と繁栄をもたらす存在なの。みんな貴方が桜を咲かせてくれるのを待っているのよ」
カイト「そうだ、桜姫が嫌いな者などこの国にはいない。むしろみんな桜姫のことが大好きなんだぞ？」
アキト「明日の誕生日パーティーで分かるよ。Aがどれだけ国民に愛されてるかね」
「お兄様…お姉様…ありがとうございます…っ」
ユキナ「ほら、もう泣かないの」
「はい…！」ニコ
お兄様やお姉様のおかげで心の中にずっとあったモヤモヤがすっと消えた気がした
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作者名：みーな | 作成日時：2017年8月12日 23時
