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どこをどうやって歩いて来たのか自覚がない。
気付いたら、最寄り駅の近くにいた。
週に一度だけ来る、自宅のある東口とは逆の西口。そこにいた。
夜の
辺りは駅のライトで照らされているけれど、少し遠くに目をやればそこにはすぐに暗闇が迫っている。
ふいに、いつもより簡素に見えるちいさな白い店が目につく。
そう認識して、そうだ、ここは西口だって把握した時。
綺麗な白いユリの花が投げ込まれた、
ブリキのロング缶を抱えた男の子と目が合った。
目頭から続く二重。
通った鼻すじ。
白すぎない白い肌。
さらさらの黒髪。
細長いからだ。
どこか驚いた顔。
それは知っている顔だった。
そして知っている店の前だった。
「あ…お姉さん？こんばんは…」
『こんばんは…あ、えっと…ごめん、名前…？』
「…さくま、です」
さらさらの黒髪の細長い彼はそう言って、どこかさみしそうな顔をした。
夜の帳の時間は過ぎて、光量を増したホームのあかりが駅前に漏れて広がる。
そうすると細長い彼の影が、もっと細長くはっきりと私の足もとに重なる。
細長いそのからだ。
薄い色のボーダーのカットソーにライトグレーのコットンのエプロンを着けた彼の胸には、
確かに「作間」のネームプレートがあった。
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冷麦(プロフ) - bさん» コメントくださってありがとうございます！大好きと言ってくださって嬉しいです。しかもきらきらの形容詞をたくさん使って優しい言葉をくださって…恐縮しきり、です…！本当にありがとうございます！ (2019年8月31日 22時) (
レス) id: 5b6161b271 (このIDを非表示/違反報告)
b(プロフ) - この雰囲気好きだな、と思って読み始めたら、まさかの大好きな冷麦さんの小説と知ってびっくりです。どのお話も美しくて爽やかで清潔な感じの、冷麦さんの書く文章が好きです！楽しみにしています！ (2019年8月31日 12時) (レス) id: 3cd053490c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷麦
| 作成日時：2019年8月31日 9時
