欠陥 −case of pink− ページ29
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ab「…やっぱ、俺はヤダ」
sk「そんなこと言わないでよ、ね?あれが最善策じゃん」
ab「そうかも、だけど。…っ、時間かければ、もっと…」
さっきから聞こえてくる言い合いは、阿部と佐久間によるもの。
端的に言うと、佐久間のやり方に阿部は納得してないらしい。
…まあ、それもそうだよね。
俺たちだって、阿部ほどではないけど、賛成はしない。
っていうか、佐久間が自分を利用するだけならまだしも、傷付くことを選ぶのを喜ぶ人なんてここにはいないでしょ?
具体的には、佐久間の体質というか、他と違う点が重要なんだ。
佐久間は、所謂虚弱体質。
人より体力がなくて、力が弱くて、免疫力がない。
長い距離を歩くのはなんとかできるようになったらしいけど、走るとすぐに息が切れて、場合によっては倒れることもある。
…そんな体質を利用して、佐久間は人を騙す。
眼の前で倒れられたら、信じるでしょ?
しかも、演技で倒れるんじゃなくて、ほんとに倒れるんだから、もはや演技でもないよね。
佐久間いわく、「28年もこの体質と付き合ってきたから、加減はわかってる」らしいけど。
俺らからしたら倒れるのはセーフって時点でアウト。
それでも佐久間はやめてくれない。
それどころか更に無茶をする。
はっきり言って、佐久間の身体能力はすごく高い。
才能、ってやつ、かな。
佐久間もなんとなくそれを理解してて、できる限り最小限の動きだけど、それでもその手に拳銃を握ろうとする。
運動してればきっと身長は変わらずとももっと体格は良かっただろうけど、小さな頃からの虚弱体質で、佐久間の体は標準よりも少し頼りなく、体重は軽く、肌は誰よりも白い。
肌が焼けるほどの長時間太陽の下にいるのも佐久間にとっては辛いことらしくて、たまに外に遊びに行っても、途中で頭がいたいとうずくまってしまうこともあった。
…ね、分かるでしょ?
阿部が、俺たちが、佐久間を心配する理由。
メンタルが強い佐久間はいつも笑顔で、弱さなんて見せてくれなくて、そのくせ体は誰より弱くて、俺たちに隠れて苦しんで。
今日だって、そうなんでしょ?
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かれん(プロフ) - 晦由さん» うわぁぁ、すみません!また設定ミスりました…あのページはもう少しあとのお話です。訂正させて頂きました。混乱させてしまって、本当にすみません!教えてくれてありがとうございました! (2020年12月5日 23時) (レス) id: f582612e68 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - 34ページ、多分違う話が入っていると思います…(?)意図的だったり私の気のせいだったらすみません。 (2020年12月5日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かれん | 作成日時:2020年11月23日 21時