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4 ページ11

** 秀一 side
.


スコッチの様子がおかしいと思い始めたのは、ジンが両手を縛られた幼女をアジトに連れてきた時。

今までにも、資産家や財閥のガキどもを相手にする機会はあったのに。
どうして今回はあんなに思い詰めたような顔をしたのか。


「...やっぱ、似てるわ」


お腹が空いたとグズリ起きした幼女に適当に食事をさせ、寝かしつけ終わった頃。
寝息を立てている幼女の側で彼は呟いた。


「妹に、か?」
「あぁ...どことなく、髪の色とか目元とか肌のすべすべ加減とか」
「妹の肌の感触まで覚えてるのか」
「そんな怪しい目で見るなよ」


確かAがアメリカに渡って証人保護プログラムを受けたのが20歳の時だから...
実質、こいつが覚えている妹の姿はその歳で止まっているはずだ。


「また1人で苦しい思いさせちまったな...」
「...また?」


また、とは。
あいつの過去にまだ何かあるのだろうか。

部下とはいえ、まだ彼女に関しては不明な点が多い。
信頼を置いていないわけではない。
でなきゃ、FBIとの連絡塔を任せたりなんてしない。

彼女がこの組織を追う理由。
きっと、唯一の身内である兄が組織で潜入捜査をしているからだけではないのかもしれない。

Aも、この組織に何か関係のある人物なのか...?


「俺の妹...虐待されてたんだよ」


意外すぎるワードに、思わず勢いよく顔を上げてしまった。
そんな俺を見てスコッチはフッと笑った。


「実の両親からか?」
「いーや、俺らの親は妹が生まれて間もない頃に交通事故で亡くなってる。妹を引き取ってくれた母方の妹夫婦がひっでぇ大人でよ」


...あいつも、苦労してたんだな。
世界最大規模のエンジニアコンテストに出場できるくらいだから、相当な金持ちなのかと思っていたが。
彼女の苦悩と努力があってこその功績だったのか。


「迎えに行った時、びっくりしたわ。身体中傷だらけで。ろくに食べさせてもらえてなかったのか、頰も痩けて肋骨もくっきり見えてた」


思わず眉間にしわを寄せながら聞いてしまう。
我が妹に照らし合わせると、やるせない気持ちになってしまった。


「その後は2人で狭いアパート借りてさ。俺は学校以外は全部バイトで、妹は家で料理作って待っててくれて......贅沢なことなんて何一つできなかったけど、すげぇ楽しかった」


この想いがどうか..."あいつ"にも伝わっていたら良いなと。
柄にもなく思ってしまった。


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あーさ(プロフ) - とても深いグリーンさん» ご愛読ありがとうございます!r18タグに関しましては目次のページを御覧下さい♪ (2018年4月19日 1時) (レス) id: 40de11ab60 (このIDを非表示/違反報告)
とても深いグリーン(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます(о´∀`о)ところで話は変わるんですが、どうしてR-18になってるんですか? (2018年4月18日 23時) (レス) id: 629a69f0d0 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 佰さん» なんと嬉しいお言葉...(T^T)書きたいときに書く気分屋野郎ですが、よろしくお願いします! (2018年3月1日 17時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)
- すごくいい話ですね!もう感動しました。続き楽しみにしています!これからも更新頑張ってください! (2018年2月27日 21時) (レス) id: e1e57bb127 (このIDを非表示/違反報告)
あーさ(プロフ) - 那月さん» はじめまして(^^) な、なんと...!貴重な情報提供をありがとうございます!間違ってなくてよかったです...とても安心しました(^◇^) (2017年10月1日 20時) (レス) id: 611fb27d39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーさ | 作者ホームページ:nothing  
作成日時:2017年10月1日 0時

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