第五十二話 ページ2
白石side
「あれほど外役中には逃げるなって言ったのに…馬鹿だなあ熊岸ちゃん」
「とにかくこの街で杉元達を待とう」
「やっぱ網走へ向かうしかないのかね」
「まあ…網走監獄の典獄にお礼参りするのもいいかもしれんな。奴には樺戸で世話になった」
結局何も出来ないまま月形で過ごす事になった。
俺以外は贋物の判別法について話し合ってるけど、そういう難しい話はよくわかんない。
俺に分かるのは…土方歳三と内通してたって言われて杉元に殺されかねないって事。
やばいどうしよう…
スゲー怖くなってきた。
殺されたら金塊どころじゃねえぞ。
ここにいれば杉元が来ちまう…
かくなる上は、逃走！これに限る！
「ハッ ホアッ ホアッッ」
華麗に着地、気づかれる前にトンズラこくぜ！
「オイお前白石だろッ」
どうして俺ってこんなに運が悪いんだろ。
軍人に捕まらないように必死で逃げる。
馬の足音が迫ってくる。
梯子をつたって屋根の上、それから家を飛び移る！
でも…
「逃げてみろ脱獄王!!」
───
貴女side
「白石が第七師団に捕まった？」
樺戸監獄から一番近い宿で落ち合うはずだったのに、そこには一人足りなかった。
土方歳三とキロランケは旭川に着く前に白石を奪還しに行ったが失敗に終わったらしい。
熊岸長庵が死んだ今、贋物を判別することは不可能に近い。
贋物が判別出来ないと暗号は解けなくなる。
そうなると、直接のっぺらぼうに接触し、娘のアシリパに金塊の在処を伝えるのが得策だが…
それには白石が必要という訳だ。
軍都である旭川に連行されてしまっているであろう今、白石を連れ戻すのは厄介極まりない。
白石の自力での脱出も時間がかかりすぎる。
「そもそも脱出できるかどうか…脱獄王とはいえ、監獄とは違うんだ。どんな扱いを受けているか」
「今この瞬間皮をはがされてるかも」
「いや、それはない」
「何故だ？」
「生かしておいた方が何かと使えるかもしれない。処分など何時でもできるからな」
「尾形見てこいよ。お前第七師団だろ？」
「俺は今脱走兵扱いだ」
「キロランケは？元第七師団だろ？」
「俺はカムイコタンで顔を見られた」
「私が行こうか？」
「あんたは信用できん」
抜け目ない、暗い瞳がこちらを見やった。
騒ぎに乗じて戻り、鶴見中尉と合流ないし接触出来ればと思ったが…
余程の事がない限り、こいつから逃げ出すのは骨が折れそうだ。
まあ、白石のことは諦めるのが得策だ。
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プスメラウィッチ(プロフ) - 続きの更新頑張って下さいね😆応援しています。 (2月14日 11時) (
レス) @page5 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は尾形百之助オチですか？できれば尾形百之助オチでお願い出来ますか？後、尾形百之助は死なないで欲しいです。尾形百之助と夢主ちゃんを幸せに欲しいです。お願いします🙏 (2023年1月17日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
メルテア(プロフ) - 何故こんなに低評価が押されているか俄にも信じ難いですがとても面白くここまで一気読みしてしまいました。素敵な作品ありがとうございます。 (2023年1月11日 15時) (レス) @page4 id: 3e70dcadbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2021年4月29日 23時
