7話 ページ7
セブルスside
彼女はただ黙って腕を引っ張られるだけだった。
我輩からは彼女がどんな表情をしているのか分からない。
しかしルシウス先輩と話していた時の雰囲気がただならぬものだった事は分かった。
ダイアゴン横丁との境目で一旦止まる。
彼女の様子が心配だった。
「大丈夫か。何を聞かれた。」
「…」
「言いたくないのならいい。
しかし、我輩の忠告は何故聞き流されたのですかな？」
”ルシウス先輩は何をしてくるかわからん。気をつけろ”
ちゃんと忠告したのに、此奴には届かなかった。
「ごめん、油断してた。」
そう言って笑うAの笑顔はほんの少しぎこちなかった。
また。
少し近ずけたと思ったら離される。
それとも2人の距離は遠すぎて届かないのか。
「次は気をつけるからさ、心配しないで？」
無理するな。
そう言えたら楽なのだろうな。
しかし卑怯な我輩は踏み込まれるのを恐れて頷く。
「君が一度言ったくらいでは出来ないのは分かっている。
…次は無いからな。」
「…ありがとう。」
心底ホッとした様子で呟く。
そんな彼女の背中を見つめることしか出来ずにいる我輩は、君が言うように狡いのだろう。
だが君もまた、掴んで欲しくないと言いながら逆の態度を取る。
「狡いのはお互い様だな。」
ダイアゴン横丁に戻ってからは穏やかに過ごした。
Aはバニラとチョコレートの大きなアイスクリームを買い、ぺろぺろ舐めながら路地を歩き回った。
クィディッチ用具店を過ぎ、隣の店で二人ともインクと羊皮紙を大量に買い込んだ。
「他に必要な物はないか？」
「フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店に行きたい。」
「新学期が近く、教科書を買おうとする生徒だらけの書店にか？」
「普段城の外に出ないでしょ？
だから新しい本を見たくて。
今日しかないの。お願い、セブルス。」
此奴の読書量を知らない我輩では無いし、新本が気になるのも分かる。
しかしよりにもよってサイン会が開かれている所に行くのか？
「サイン会なんかに興味は無いわ。
それにセブルスは外で待っていればいい。
そうすれば人に潰されずに居られるでしょ？」
必死に言い繕う姿にまあいいか、という気持ちになってしまった。
「少しだけだぞ。」
「ありがとう！」
その選択は後悔する事になる。
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夜彩(プロフ) - 皆様、大変長らくお待たせいたしました！更新再開です！長い間待って頂いてありがとうございます。これからも創作に励んでいきますので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2018年11月4日 22時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - お久しぶりです、作者の夜彩です。実は今、編集するページが開けなくなっています。なので次の更新まで少々時間がかかると思いますので何卒宜しくお願い致します。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2018年9月8日 22時
