18話 ページ18
貴女side
あれからグリフィンドールの選手に避けられている気がする。
「私は純血主義じゃ無いのに。」
「なんだ、そんなことで悩んでいたのか。」
「セブルス！」
「避ける奴は勝手にやらせておけばいい。
しっかりと君を見ている奴はそんな事はしないと思うがな。」
「…セブルス。」
いや、いい事言ってるけど元はと言えばその原因を作ったの君だからね!?
君が勝手に許可証を出さなければグリフィンドールとスリザリンの選手がぶつかる事なんて無かったんだから！
だが彼なりに慰めてくれているのはわかるので感謝する。
「ありがとう、セブルス。」
「ふん、
自分の周りも見えておらん馬鹿者に事実を教えてやったまでだ。」
「そういう所、優しいよね。」
「目まで腐ったか。」
「酷いなぁ。」
こんな風に笑い合える距離感が心地いい。
こんな関係を崩したくない。
だから胸の奥に燻るこの感情に蓋をしよう。
気付かないふりをしよう。
そうやって目を閉じる私は狡い奴。
隣で揺らめくその瞳を見つめてしまえば全てバレてしまう気がして。
心地いい距離感を守るために私は今日も知らないふりをする。
───
夜。
あの2人の処罰だと聞いて少し様子を見に来た。
まずはロン。
クィディッチ杯を磨かされている。
管理人のアーガス・フィルチは生徒を毛嫌いしている節があるから大変だろう。
せめてこの罰則中にナメクジの発作が出ないことを祈るばかりである。
次はハリー。
ロックハート先生直々のご指名だ。
ハリーには何よりも地獄だろう。
私だったらあのロックハート先生と何時間も二人っきりで過ごせと言われたら一目散に逃げ出す。
ずっと自慢話を聞いていられる精神力など持ち合わせていないからね。
「ご愁傷様、ハリー。」
さぁ、部屋に戻って寝ようとした時。
何かが聞こえた。
廊下の蝋燭が吐き出す音ではなく、生徒のヒソヒソ声でも無い。
それは声だった−骨の髄まで凍らせる様な声。
息が止まる様な、氷の様に冷たい毒の声。
「来るんだ…。俺様の所へ…
引き裂いてやる…八つ裂きにしてやる…
殺してやる…」
誰の声だろう。
どこから聞こえている？
嫌だ、聞きたくない。
怖い。
「君に見せたいものがあるんだ。」
あの時連れていかれた場所。
刻まれた所有印。
決して切れない絆。
手を差し伸べてくれる人は誰もいない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 232人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜彩(プロフ) - 皆様、大変長らくお待たせいたしました！更新再開です！長い間待って頂いてありがとうございます。これからも創作に励んでいきますので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2018年11月4日 22時) (
レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - お久しぶりです、作者の夜彩です。実は今、編集するページが開けなくなっています。なので次の更新まで少々時間がかかると思いますので何卒宜しくお願い致します。 (2018年10月8日 20時) (レス) id: 3659269758 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜彩 | 作成日時：2018年9月8日 22時
