第16話 ページ16
ハリーside
ホラスは瓶を戸棚の上に戻し、ため息をついた。
僕に視線が行ったのはその時だった。
大きな丸い目が僕の額に、そしてそこに刻まれた稲妻形の傷に飛んだ。
「ほっほう！」
「こちらはハリー・ポッター。ハリー、こちらがわしの古い友人で同僚のホラス・スラグホーンじゃ」
「それじゃあ、その手で私を説得しようと考えたわけだな？いや、答えはノーだよアルバス」
「一緒に一杯飲むぐらいのことはしてもよかろう？」
「よかろう、一杯だけだ」
ダンブルドアは僕に微笑みかけ、つい先程までスラグホーンが化けていた椅子とそう違わない椅子を指して、座るように促した。
ダンブルドアが何故か出来るだけ自分を目立たせたがっているとはっきり感じながら椅子に腰掛けた。
「元気だったかねホラス？」
「あまりパッとしない。昔のようには動けん」
「それでも即座にあれだけの歓迎の準備をするには相当素早く動いたに相違なかろう」
「アルバス、私が老人である事実は変わらん。静かな生活と多少の人生の快楽を勝ち得た、疲れた年寄りだ」
「ホラス、君はまだわし程の歳ではない」
「まあ、君自身もそろそろ引退を考えるべきだろう。昔のような反射神経ではないらしいな」
「まさにその通りじゃ」
ダンブルドアは落ち着いてそう言いながら、袖を振るようにして黒く焼け焦げた指の先を顕にした。
一目見て、首の後ろがゾクッとした。
ダンブルドアは肩を竦め、年の功はあるものだという風に両手を広げた。
すると、傷ついていない左手に、以前は見たことがない指輪がはめられているのに気づいた。
金細工と思われる、かなり不器用に作られた大ぶりの指輪で、真ん中に亀裂の入った黒いどっしりした石が嵌め込んである。
スラグホーンも暫く指輪に目を止めたが、僅かに顔を顰めて、禿げあがった額に一瞬皺がよる。
「ところでホラス、侵入者避けやこれだけの予防線は死喰い人のためかね？それともわしのためかね？」
「私みたいな哀れなヨレヨレの老耄に、死喰い人が何の用がある？」
「連中は君の多大なる才能を恐喝、拷問、殺人に振り向けさせたいと欲するのではないかのう。連中がまだ勧誘しに来ておらんというのは、本当かね？」
「奴らにそういう機会を与えなかった。一年間居場所
変え続けていたんだ。同じ場所に一週間以上とどまった試しがない」
「巧みなものじゃ。しかし、静かな生活を求める老耄にしては、大層疲れる生き方に聞こえるがのう」
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真昼 - 最高でした！！一気読みしてしまいました！サラザールが好きなので、とても嬉しかったです！！ (8月27日 7時) (
レス) @page22 id: cd0b763249 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (8月10日 11時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - ありがとうございます！これからもゆっくり更新していくので、どうか最後までお付き合いください！ (2023年3月23日 10時) (レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
イジー - 続編！おめでとうございます！全ての話が面白いです、これからも頑張って下さい！ (2023年3月23日 10時) (レス) @page2 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2023年3月22日 16時
