第20話 ページ20
ハリーside
「アメリア・ボーンズの死が私を動揺させなかったとは言えない…あれだけ魔法省に人脈があって保護されていたのに、その彼女が…」
ダンブルドアが部屋に戻ってきた。
スラグホーンはまるでダンブルドアが家に居ることを忘れていたかのように飛び上がった。
「さてハリー、ホラスのご好意に大分長々と甘えさせてもらった。暇する時間じゃ」
僕は全く躊躇せずに従い、すぐに立ち上がった。
スラグホーンは狼狽した様子で、気持ちが揺れているようだった。
ダンブルドアが旅行用マントの紐を結び、僕が上着のジッパーを閉めるのを見つめながら、ずんぐりした親指同士をくるくる回してそわそわしていた。
「ホラス、君が教職を望まんのは残念じゃ。ホグワーツは君が再び戻れば喜んだであろうがのう。我々の安全対策は大いに増強されてはおるが、君の訪問ならいつでも歓迎しましょうぞ。君がそう望むならじゃが。では、さらばじゃ」
二人が玄関口まで行った時に、後ろから叫ぶ声がした。
「わかった、引き受ける！」
「引退生活から出てくるのかね？」
「馬鹿なことに違いない。しかしそうだ」
「素晴らしいことじゃ。ではホラス、九月一日にお会いしましょうぞ」
「ああ、そういうことになる。ダンブルドア、給料は上げてくれるだろうな！」
ダンブルドアはクスクス笑った。
門の扉が二人の背後でバタンと閉まり、暗闇と渦巻く霧の中、二人は元来た坂道を下った。
───
ダンブルドアside
ハリーを隠れ穴に送り出し、ルーファス・スクリムジョールとの緊急の話し合いが終わり、ホグワーツにやっと帰ってきた所だった。
校長室に足を踏み入れると一人の女性が机の後ろの椅子に腰掛けていた。
「ハリー達はもうOWLの結果を受け取った頃かしら？」
「わしは君と会う予定はなかったと記憶しておるがな？」
その姿から微かに銀色の光が発散しているかのようなA・Aは、非の打ち所ない笑みを浮かべた。
「勧誘は成功した？新しい魔法大臣との密会はどうだった？」
「素晴らしい想像力じゃなA。しかし、今しがた帰宅したばかりの人間に、息付く間もなく何でもかんでも説明させようとするのはちといただけん」
「それなら、ずっと君の帰りを待ちわびてた私に紅茶のひとつでもあるのが妥当ではなくって？」
頑として動かぬといった様子の彼女に仕方なく杖を振ると、熱々の紅茶が入ったティーポットがひとりでにお茶をつぎはじめる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真昼 - 最高でした！！一気読みしてしまいました！サラザールが好きなので、とても嬉しかったです！！ (8月27日 7時) (
レス) @page22 id: cd0b763249 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (8月10日 11時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
夜彩(プロフ) - ありがとうございます！これからもゆっくり更新していくので、どうか最後までお付き合いください！ (2023年3月23日 10時) (レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
イジー - 続編！おめでとうございます！全ての話が面白いです、これからも頑張って下さい！ (2023年3月23日 10時) (レス) @page2 id: c288b38476 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜彩 | 作成日時：2023年3月22日 16時
