第58話 ページ8
ハリーside
マクゴナガル先生の声が凛と響いた。
「ポッター。どんなことがあろうと、私は貴方が闇払いになるよう援助します！
毎晩手ずから教えることになろうとも、貴方が必要とされる成績を絶対に取れるようにしてみせます！」
「魔法大臣は絶対にポッターを採用しません！」
「ポッターに準備ができる頃には新しい魔法大臣になっているかもしれません！」
「ほら！それがお望みなのね、ミネルバ・マクゴナガル？
貴女はアルバス・ダンブルドアがコーネリウス・ファッジに取って代わればいいと思っている！
私の今の地位に就く事を考えているんだわ。魔法大臣上級次官並びに校長の地位に！」
「何を戯言を。ポッター、これで進路相談は終わりです」
僕は鞄を肩に背負い、あえてアンブリッジ先生を見ずに急いで部屋を出た。
二人の舌戦が、廊下を戻る間ずっと続いていた。
その日の午後の授業で、闇の魔術に対する防衛術の教室に荒々しく入ってきたアンブリッジ先生は、短距離レースを走った直後のように、まだ息を弾ませていた。
───
ミネルバside
「お疲れのようね？」
荒々しくドローレスが去った後に入ってきたのは私の友、Aだ。
お茶でもどうぞ、なんて大人のスマイルをするくせに、少女らしい仕草が残っている不思議な友人。
最近は元気が無くて、元々色の白い肌も、今は紙の様に色を失い、今にも倒れそうな雰囲気を纏っている。
思いやるべきは自分の方であろうに、私の隣でただ寄り添ってくれる。
「ミネルバ？」
滑らかな頬に手を触れると、美しい双眸が私を捉える。
この生き物を悩ませるのは、いつだって私ではないのだと、自覚する程に痛みを感じる。
あの、歪で未熟、しかし甘美な
『一つ質問』
『なあに？』
『トム・リドルの目に映る貴女は、何故そんなに楽しそうなの？』
『あー、それは』
『それは？』
『私が、彼に恋をしているからよ、多分ね』
あれが、初めての失恋だったように思う。
幼い羨望と憧憬が混ざった、初恋だった。
「なんでもないわ」
なんでもないの。
貴女がここに居てさえくれれば、それでいい。
───
ハリーside
「ハリー、計画を考え直してくれないかしら？アンブリッジったら、もう相当険悪ムードよ」
マクゴナガル先生が僕の後ろ盾になってくれてから数時間も経たないうちに、アンブリッジの部屋に侵入して捕まったりしたら…
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夜彩(プロフ) - atheneさん» ご指摘ありがとうございます。私自身もおかしいなとは感じていたので…また何か誤字、脱字等ございましたらお気軽にお知らせ下さい (2022年7月27日 13時) (
レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
athene(プロフ) - クィレル先生は「クウィレル」ではなく「クィレル」です。とても面白いので、いつも楽しみにしています！二人の関係の切なさがなんともいえません！ (2022年6月13日 0時) (レス) @page26 id: e8c4b441c6 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月30日 2時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - お久しぶりです泣 楽しみに待ってました泣 (2021年12月23日 22時) (レス) @page12 id: b1e8907435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2021年8月4日 1時
