第82話 ページ32
セブルスside
宝石のような瞳が瞼に隠れて現れる様はどこか幻想的で。
何を考えているのかを探っているつもりが、いつの間にか探り返されているような。
人の全てを惑わせるような、不思議な美しさをたたえていた。
返答は完璧な笑顔の下に隠され、颯爽と我輩を通り過ぎる。
「っ、待て」
「一つ教えてあげるわ、セブルス」
たっぷり間を開けて、どこか嘲笑うような雰囲気で。
「愛は、ときに人を愚かにするのよ」
遠ざかる足音だけが響く。
それもだんだん小さくなり、廊下にはただ一人佇む我輩だけが残された。
───
ハリーside
スネイプが最後の頼みの綱だった。
アンブリッジは、自分で自分を説得するように呟いている。
「仕方がない…この件は学校の規律の枠を超えます…魔法省の安全の問題です…
貴方がこうさせるんです、ポッター。やりたくはない。
しかし、場合によっては使用が正当化される…他に選択の余地がないということが、大臣には分かるに違いない…
磔の呪いなら舌も緩むでしょう」
「やめて！アンブリッジ先生、それは違法です。大臣は先生に法律を破って欲しくないはずです！」
「知らなければ、コーネリウスは痛くも痒くもないでしょう」
ハーマイオニーの言葉に、アンブリッジはこの夏、吸魂鬼に僕を追わせたのは自分だと言った。
アンブリッジが呪文を唱えようとすると、ハーマイオニーの悲痛な制止の声が響く。
泣き声混じりに話し始めたハーマイオニーだったが、僕はふと気づいた。
ハーマイオニーは両手に顔を埋め、絶望的に啜り泣いていたが、一滴の涙も見えない。
「みんな、ごめんなさい。でも、私、我慢できない…」
「いいのよ、嬢ちゃん！ポッターはさっき、誰と連絡を取っていたの？」
「何とかして、ダンブルドアと話をしようとしていたんです」
ロンは目を見開いて体を固くした。
ジニーは自分を捕まえているスリザリン生の爪先を踏んづけようと頑張るのをやめた。
ルーナでさえ少し驚いた顔をした。
幸いなことに、アンブリッジも取り巻き連中も、ハーマイオニーの方ばかりに気を取られ、こうした不審な挙動には気づかなかった。
「それじゃ、ダンブルドアが何処にいるかを知ってるのね？」
「いいえ！ダイアゴン横丁の漏れ鍋を探したり、三本の箒もホッグズ・ヘッドまでも…」
「馬鹿な子だ…ダンブルドアがパブなんかにいるものか。魔法省が省を挙げて捜索しているのに！」
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夜彩(プロフ) - atheneさん» ご指摘ありがとうございます。私自身もおかしいなとは感じていたので…また何か誤字、脱字等ございましたらお気軽にお知らせ下さい (2022年7月27日 13時) (
レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
athene(プロフ) - クィレル先生は「クウィレル」ではなく「クィレル」です。とても面白いので、いつも楽しみにしています！二人の関係の切なさがなんともいえません！ (2022年6月13日 0時) (レス) @page26 id: e8c4b441c6 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月30日 2時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - お久しぶりです泣 楽しみに待ってました泣 (2021年12月23日 22時) (レス) @page12 id: b1e8907435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2021年8月4日 1時
