第76話 ページ26
貴女side
今朝、ミネルバは聖マンゴに移された。
悲しいが、あの年齢なら命があったことに感謝するべきだろう。
彼女のことだ、学期が終わるまでにはひょっこり帰ってくるかもしれない。
試験も終わるであろう頃、私は医務室に向かっていた。
理由はもちろん、モンタギューに会うため。
トイレの旅から帰還したはいいものの、混乱と錯乱が続いていた彼のカウンセリングを請け負うことになって、大分経つ。
最近は経過も良く、もうすぐカウンセリングもいらなくなるだろう。
「ああ、A。今ちょうど薬を飲ませ終わったところですよ」
「ありがとう、マダム・ポンフリー。調子はどう？モンタギュー」
「ミネルバがいなくて寂しいわね。あのポッターまでもが心底驚いた顔をしてましたから」
「ハリーが？」
「ええ。先程医務室に凄い勢いで入ってきて、ミネルバに会いたいと言うんです。ものすごい剣幕だったので、大方また何かやらかしたのでしょう」
今ちょうど試験の終わりを告げる鐘が鳴った。
ということは、ハリーは試験中にも関わらずミネルバに会いたかったということだ。
ミネルバにすぐ会わなければいけないほど重要で、ハリー自身の手にはおえないこと…
前にもこんなことがなかっただろうか？
確かあれは…アーサー・ウィーズリーが危険だということを知らたとき。
だとすれば騎士団の誰かが危険に、それも命の危険に晒されているということ。
それが本当かどうかは別として、ハリーを神秘部に連れてこさせる為にトムがしたことだろう。
トムはそういう人間だから。
そうなればこうしては居られない。
「モンタギュー、悪いんだけど、忘れ物をしたから一回部屋に戻るわ。少し待っててくれる？」
医務室を後にし、部屋に戻る。
「クィレル」
「はい」
「神秘部に向かって」
「あの御方が動き出したのですか？」
「おそらく。しっかり手助けをしてきてちょうだい。もちろん、生徒達には顔を見られないように」
去年と同じフード付きのローブを目深に被り、襟元には白薔薇を。
この白薔薇は私の為に動いている人に渡す目印だ。
万が一トムの機嫌を損ねるようなことが起きた時の為の、保険のようなもの。
「頼んだわよ」
「イエス、マイレディ」
───
ハリーside
「でも、どこで？どんな風に？」
「どうやってかは分からない。でも、どこなのかははっきり分かる。」
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夜彩(プロフ) - atheneさん» ご指摘ありがとうございます。私自身もおかしいなとは感じていたので…また何か誤字、脱字等ございましたらお気軽にお知らせ下さい (2022年7月27日 13時) (
レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
athene(プロフ) - クィレル先生は「クウィレル」ではなく「クィレル」です。とても面白いので、いつも楽しみにしています！二人の関係の切なさがなんともいえません！ (2022年6月13日 0時) (レス) @page26 id: e8c4b441c6 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月30日 2時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - お久しぶりです泣 楽しみに待ってました泣 (2021年12月23日 22時) (レス) @page12 id: b1e8907435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2021年8月4日 1時
