第67話 ページ17
ハリーside
グリフィンドールに辛くも優勝杯をもたらした立役者のロンは、有頂天で、次の日は何も手につかない有り様だった。
試合の一部始終を話したがるばかりで、僕とハーマイオニーは、グロウプのことを切り出すきっかけがなかなかつかめなかった。
もっとも二人とも積極的に努力したわけではない。
こんな残酷なやり方でロンを現実に引き戻すのは気が進まなかったのだ。
その日も暖かな晴れた日だったので、二人は湖の辺のブナの木陰で勉強しようとロンを誘った。
談話室よりそこの方が盗み聞きされる危険性が少ないはずだ。
ブナの木陰で本を広げ、それぞれに座ったが、ロンは試合最初のゴールセーブの話を、もう数十回目になるのに、またしても一部始終二人に聞かせた。
「でもさ、ほら、もうデイビースのゴールを一回許しちゃったあとだから、僕、そんなに自信はなかったんだ。
だけど、どうしたのかなぁ、ブラッドリーがどこからともなく突っ込んできたとき、僕は思ったんだ…やるぞ！
どっちの方向に飛ぶかを決めるのはほんの一瞬さ」
ロンは最後を控えめに語り終え、必要もないのに髪を後ろに掻き上げ、見せびらかすように風に吹かれた効果を出し、近くにいた生徒達にチラッと目をやり、自分の話が聞こえたかどうかチェックした。
その姿がもう一人別のグリフィンドールのクィディッチ選手と重なって仕方がなく、ニヤニヤしてしまった。
かつてこの同じ木の下に座って髪をくしゃくしゃにしていた人だ。
「ジニーに鼻先からスニッチを奪われたときの、チャンの顔を見たか？」
「多分、泣いたんじゃないか？」
「ああ、うん…どっちかっていうと癇癪を起こして泣いたっていうほうが…
だけど、チャンが地上に降りた時、箒を投げ捨てたのは見たんだろ？」
「あの、実は…見てないの」
「観てなかったの？僕がゴールを守ったとこ、一つも？」
「そうなの。でも、ロン、そうしたかったわけじゃないのよ…どうしても行かなきゃならなかったの」
「ハグリッドが巨人の所から帰って以来、いつも傷だらけだったわけを僕達に教えてくれる気になったんだ。一緒に森に来て欲しいって言われて、断れなかった」
話は五分で終わった。
最後の方になると、ロンの怒りは全く信じられないという表情に変わっていた。
「一人連れて帰って、森に隠してた？それで、英語を教えて欲しいって？正気を失ってるな。」
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夜彩(プロフ) - atheneさん» ご指摘ありがとうございます。私自身もおかしいなとは感じていたので…また何か誤字、脱字等ございましたらお気軽にお知らせ下さい (2022年7月27日 13時) (
レス) id: bd39633a4b (このIDを非表示/違反報告)
athene(プロフ) - クィレル先生は「クウィレル」ではなく「クィレル」です。とても面白いので、いつも楽しみにしています！二人の関係の切なさがなんともいえません！ (2022年6月13日 0時) (レス) @page26 id: e8c4b441c6 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月30日 2時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - お久しぶりです泣 楽しみに待ってました泣 (2021年12月23日 22時) (レス) @page12 id: b1e8907435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜彩 | 作成日時：2021年8月4日 1時
