藍色の誘拐犯【神威】

___5話___ 神威side ページ5

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どんな声で話すのか、どんな目をして表情を作るのか
全てが気になった。



部屋の暗証番号を入力して静かに扉を開けば、不安そうに俺を見つめる目と、一番初めに見た時と同じ 頬に泣いた跡があって

それが綺麗だなんて思った。



でも睡眠薬を打ったのに結構早い目覚めで驚いた。

ゆっくり傍に腰かけ、涙で少し濡れた頬に触れると後退りしちゃって、男慣れしてないといいな、なんてどこかで思う。



｢貴方が余計な事しなきゃ、全部終わってたのに｣



話を進めていく中で、引っかかった言葉。



神威｢もしかして、自ら飛び降りたのかい｣



黙り込む姿がそうだと教えてくれて、俺が想像出来ないその考え方に 更に興味が湧く。

こっちにも都合が良かったし、あっけらかんとした態度をとれば驚かれて、そんな顔もするんだって眺めた。



｢神威…さん｣



名前を教えれば、おずおずと呼ぶ様子に 自然と笑みがこぼれる。

もう地球に帰すことは無いし、手放すつもりも無い。満足するまでは 会話をしていいのも名前を呼ぶのも俺だけ。

じっと俺を見つめるその目を見て、そう決めた。







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