検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:139,408 hit

___22話___ ページ22










いつまで待っても神威さんが起こしに来ない朝。

二度寝も出来そうになかった。



「このボタンだっけ」



急用がある時押して と言われていた、扉の横の赤いボタン。
躊躇しながら押してみる。



「開いた…!」



ガチャリと重い音が鳴ったから、扉の取っ手を引いてみると、すんなりと開いてしまってビックリ。

部屋には誰も居ない。
その代わり机の上に、置き手紙とラップのかかったサンドイッチがあった。



「今日は1人かぁ」



昼間も帰れないと書いてあって、夕方頃まできっと1人。
することが無いし長い1日になりそう。





___ ___ ___








…時計がもうすぐ深夜の0時を回ってしまう。

いつもならとっくに帰ってきてる。むしろ就寝時間なのに、部屋には未だ私だけ。
昨日の事もあってか不安が増し泣いてしまった。



「帰ってこなかったらどうしよ…」



私の態度が気に食わなかっただろうな、私のこと嫌になったんだろうな。
思い当たる節がいっぱいある。

神威さんが居ないと何も出来ない自分。あの優しさにどんどん依存してしまってる。



そもそも私、なんでまだ生きてるんだろ



最後に紛れてきた思考が、急に私を現実へ引き戻した気がした。

浴槽に水を張りカッターを部屋中探し回る。体が乗っ取られたかのように、ひたすら夢中で。
こういうのを衝動的って呼ぶのかな。




「あった」



見つけてしまった。

前とは全く別の棚で見つけて 手に取り、浴室に座り込んで握る手に力を込める。

見られたあの夜『もうしないで欲しい』と悲しそうに言われた。神威さんの その声と顔が何度も頭でちらつく。



「ごめんなさい、私また…」



一刻も早く楽になりたい。苦しみから逃げたい。

でも、貴方に救われたい。

一瞬浮かんだ「助けて」の声は、きっと気のせい。
息を大きく吸って、勢いよく刃を振り下ろし、水の中へ 腕を沈めた。






___23話___ 神威side→←___21話___



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (117 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
253人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 切甘
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。