___21話___ ページ21
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「あ、おかえりなさっ…」
会議から帰ってきた途端 返事もなく急に口付けられて、ちょっと、いやだいぶ乱暴。
こんな様子は初めてで、少し心配になる。
「神威、さん…どうしたんですか」
隙を狙って、思い切り抱き締めた。
「何かありましたか」
神威「…うん。嫌なことがあったから、Aに癒して欲しい」
いつもと立場が逆のようで、背中を優しく撫でると素直に私の首元へ顔を埋めてくる。
「私で癒せるのなら、いくらでも」
精一杯 ぎゅっと抱き締めてから、神威さんの頬を両手で包み込み、ゆっくり甘くキスをした。
さっきみたいな乱暴のじゃなくて、少しずつ時間をかけて。
神威「そんなんじゃぬるい。もっと」
「ふふ、今日はせっかちですね」
でも今は期待に応えたい。さっきの神威さんを真似て、求め合うように重ねてみる。
少し経つと、私の後ろ髪を撫でながら耳元に唇を寄せてきて、やっぱり何かがいつもと違う。
神威「…A、抱きたい」
「え?抱き…、え !!?」
抱きしめるの方かな!とも無理やり考えたけど、既に、片手で服のボタンを外している。という事はやっぱりソッチ?
「どっ!どどどどうしよう、脱がないでください!」
神威「嫌?」
「えと…嫌では… じゃなくて!」
神威さんは慣れてるから冷静だろうけど、私はそういうの分かんないし
…本気か遊びかなんて、分かんない。
「私のこと、好きですか」
神威「好きだよ」
ほんとに信じていいのかな。
『この人も 全部嘘かもしれないよ』と、頭の中で別の自分が否定する。
神威「…今日の俺 どうかしてるね」
なかなか踏み切りがつかずに黙っていると、スっと離れられて、普段の優しい笑みを向けられた。
なんかこの空気にデジャヴを感じて不安になる。
私にガッカリした?冷めた?捨てられる?
急に 友達から仲間外れにされた時のような、不安感と焦りに似てる。
「あの、あの、私は神威さんのことが好きです。だからそうなっても」
神威「分かってるよ。でも今日はもう寝るね」
私こういう時 気の利いたことが言えない。
どうやって引き止めたらいいのかも、何が正解なのかも。
神威さんは笑ってるのに、笑ってない気がした。
「…冷めちゃってる」
一緒に食べようと思って 置いたままだった夕飯を、一人で食べてると、なんか寂しくって
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さな(プロフ) - 鈴さん» わわありがとうございます!(;;)誰かの救いになればと台詞を書いているので、そう言って頂けたり、鈴さんの励みになれたのがとても嬉しいです(∩´∀`∩) (2019年12月12日 19時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 24話、神威さんの必死に生きてればこんなことだってあるさ、という言葉に励まされました(´;ω;`)キャラクターの一言一言が優しさと切なさを感じられて大好きです。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: cc01498415 (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - さなさん» や、優しいかよ (2019年11月4日 21時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - すてーきさん» ありがとうございます。゚(゚^ω^゚)゚。夜はしっかり8時間以上眠ってくださいね…!()更新頑張ります! (2019年11月4日 21時) (レス) id: e49a683dbf (このIDを非表示/違反報告)
すてーき(プロフ) - まじ神作すぎます!更新楽しみで夜しか眠れませう、応援してます! (2019年11月4日 20時) (レス) id: 6bb493e780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2019年10月6日 7時