足音 ページ10
Side.ショッピ
「ありました！名前！」
探索を初めて5分と言ったところで、エーミールが声を上げる。誰かの名前を見つけたようだ。
声が聞こえた方向に行くと、「これです」とエーミールがある場所を指差す。
そこにははっきり『村川翔斗』とショッピの名が記されていた。
「……ほんまや。この場所は………」
「5年1組やな」
チーノがひょこっと隣の下駄箱から顔を出す。
「てことは……今は10歳か11歳ですね」
「………ショッピ君地味に小さないか？」
「張り倒しますよ」
「いや冗談！冗談やって！！あ、それよりも……」
ショッピから静か……ではないが確かに送られた殺意に身の危険を感じながらも、チーノが懐を漁り何かを取り出す。チャラチャラと音をたてながら出てきたそれは、昇降口の鍵と同じようなものだった。
「……鍵？」
「そう、職員室の鍵や。探索に使えると思ってな。あとこんな物もあったで」
「？、なんですかそれ？」
再び懐から出した手紙のような物を見てエーミールが頭に？を浮かべる。
「よく聞いてくれた。これはな………正真正銘、恋文。つまりラブレターや！！」
「ら、ラブレター！？」
チーノの口から出された手紙の正体に、エーミールが赤面する。そんな二人の様子を見て、ショッピは大きくため息をついた。
「いやクッッソどうでもいいんすけど。あんたは今まで何を探してたんですか」
「いやーたまたま開けたロッカーの中に入ってて思わず……」
「もとの場所に戻して下さい」
そう吐き捨てると、チーノは渋々ラブレターを戻しに行った。
「えっと……ショッピさんはどうでした？」
「俺は特に目星いものはありませんでしたよ。エミさんはどうですか？」
「私は名前だけです」
「おーい、戻したでー」
戻ってくるチーノの罪悪感のざの字も感じられないような声色にショッピ顔は顰める。エーミールも苦笑いを浮かべるが、チーノがこちらへ戻ったのと同時に表情が変わった。
「エミさんどうしたん？」
「あの……何か聞こえませんか？足音のような……」
「足音？」
疑問を感じつつ、ショッピは耳を澄ます。すると確かにコツ、コツ、という足音が耳に入った。しかもその音は次第に大きくなっていく。
「……こっち来とる」
若干青くなった顔でチーノが呟く。
「ど、どうしましょう……」
「……取り敢えずやり過ごしましょう」
下駄箱の影に隠れ、三人は口を閉ざす。
沈黙が続く空間の中、不気味な足音だけがそこに響いていた。
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楼(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (
レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え？？うせやろ？？？ (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
楼(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……！？あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただの黒砂糖 | 作成日時：2020年4月19日 13時
