神社 ページ6
Side.ショッピ
いない、いない、いない。
校舎の周りを一心不乱に探すが、あるのは雑草ばかり。
「クソッ……!」
一度昇降口に戻り校内に入ろうとするが、無情にも無情にも扉は開かない。
まだ探していない所は……
脳をフル回転させ、零陀小学校のマップ組み立てる。そこから消去法で探索していない場所を探すと、ある場所に辿り着く。
神社だ、神社にはまだ行っていない!
もし、外にいるならそこにいる筈。
少年は着崩れたファージャンパーを直す事もなく、神社のある方向へと向かった。
*****
木々の緑に紛れる赤い物体が目に入り、ショッピは急ブレーキをかける。
肩で息をしながら鳥居を潜り抜けると、懐かしい光景が目の前に広がった。
冷たい風に吹かれる木々達は、来客であるショッピを歓迎するようにサラサラと音をたてながら揺れる。
先程まで夕焼け色に染まっていた空から色を奪い、藍色に染めていく黄昏時の空。
そしてそれらを背後に映す神社は、以前よりも神々しく感じた。
目線下げると神社当有の石畳の道が目に入る。あまり整備していないのだろうか。神社の中央の通りに敷かれた石畳の間からは、所々に長々と雑草が生えている。
しかし、その中に二つの人影が倒れているのをショッピは見逃さなかった。
「チーノさん!エミさん!」
倒れる友の名を呼びながら二人に近づく。
「……ん…だれやね………ん?」
ショッピの声に起き上がったチーノだったが、その声が変声期に入る前のものであるが故に誰かはわかっていないようだ。
駆け寄って来た少年の影を目視した瞬間、チーノが固まる。
無理もないなと、ショッピはため息を溢した。
「……え?ショッピ君??何で縮んでんの??」
「こんなの俺が知りたいですよ……てか、チーノさんも人の事言えないんじゃないッスかね」
「…………え??いや……え!?目覚めたら縮んでたとかどこのコ○ンやねん!?」
チーノが固まったまま自分の体を確認するとすぐに素っ頓狂な声が返ってくる。
そんなチーノの姿を見たショッピが、また煽りのネタが増えたことをしめしめと思っていたのは別のお話。
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楼(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
楼(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時