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悲鳴 ページ23

Side.ショッピ


目の前に浮いた幽霊は、その後も過去の罪を告白するかのように淡々とただ言葉を紡いでいった。

気付けば時間が事故の前の日に戻っていた事。
生徒の身代わりとなり、命を落とした事。
死んだ筈なのに、何故か生きていた事。
周りが何事も無かったかのように接してきた事。

「……まあ、そんな所かな」

それを話終えると、幽霊は顔を上げた。間抜けなニコニコ顔を浮かべて。
しかし、三人の顔には疑問の表情が浮かんだままだった。

「死んだ人間が生きていた……そんな事が実際に起こりうるのでしょうか……」

「まあ、その神社の七不思議とやらを使えば何とかなるんかもしれんな」

七不思議を使ったとしても、誰が?何の為に?疑問は浮かぶばかりだ。
しかし、ショッピはもっと別の観点にも注目していた。

「幽霊に成った経緯……それは分かるんですか?」

幽霊はフルフルと横に首を降る。

「それが……そこら辺からの記憶が…なんて言うか……スッポリ消えてるんだよね」

「記憶……」

「うん」と幽霊は眉を下げる。

「覚えてる事は今まで真っ暗な所に居た事……でも、さっき急に明るくなって。気付いたらこんな姿に……可愛そうなぽれ……」

ショッピの質問に答えると、「あ、そうだ」と幽霊が三人の周りを回り始めた。

「君達はどうして学校に居るの?普通、小学生がこんな時間に学校に居ないでしょ」

幽霊の言葉に三人が固まる。
果たして「気付いたら小さくなって学校で倒れてました」なんて信じてくれるのだろうか。
いや、しかしあの先生より望みはある。彼もまた、同じような状況に立っているようなものなのだ。

「えっと……ふざけてる訳じゃ無いですからね」

「うん、信じる」

「……まあ、信じてくれるなら言いますけど」

やはりショッピは躊躇った。
望みはあるとしても、普通は信じられるような物事ではない。小学生のおふざけで、はい、終わり。なのがオチだ。

しかし、うだうだしてるだけでは時間の無駄だ。



「……実は」



少し不安げに揺れたショッピの声は、





__わあぁぁぁぁぁぁぁ!!!



校内に響く、甲高い悲鳴に掻き消された。

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(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時

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