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幽霊 ページ21

Side.ショッピ


「なんや!?」

突然の事に咄嗟に腕で顔を覆う。目を開けようとするものの強風のあまりそれすら出来そうに無い。この非常事態の中、歯を食いしばってひたすら耐える事しか出来なかった。

*****

徐々に風力が弱まっていくのを感じ、ショッピはゆっくりと目を開ける。
静まり返る教室。さっきまで轟音が鳴り響いているのが嘘のように。

「………」

呆然と立ち尽くすチーノと床に座り込むエーミール。そして、事の原因であろうそれを持ったショッピ。

誰一人として理解出来ず、何も無かったかのように妖しく踊るカーテンを見つめていた。
しかし、その静寂もつかの間。

「おーい」

教室内に響く誰かの声に、ショッピの意識が現実に引き戻される。

エーミールとチーノを順番に見回すが、二人もショッピと同じような反応をしていた。
反応からして声の主は二人では無いだろう。

正体の分からないそれに恐怖を抱いた次の瞬間、ショッピの視界の端に蒼白い物体がひょろりと入り込む。

ショッピは目を擦る。物体は既に消えていた。
いや、視界から外れただけだ。
恐怖心を煽られ、ショッピは背筋に冷や汗が流れるのを感じた。

「ねえってば!」

完全に視界に入る蒼白い霊体に、ショッピは思わず悲鳴が出そうになる。

「っ!」

それを必死に抑え霊体から距離を取る。
すると二人も気付いたのか、チーノは顔を歪め、エーミールは短く悲鳴を上げた。

「待って待って!?俺怪しい奴じゃ無いから!」

「どこからどう見ても幽霊やないか!!」

衝撃のあまり素が出たエーミールが、二人の後ろに隠れながら叫ぶ。

「とりま落ち着いて!深呼吸深呼吸!」

「えっと…ひっひっふー」

「それ出産する時のヤツ!」

幽霊?とエーミールが茶番を繰り広げる間、残された二人は少しずつ落ち着きを取り戻そうと必死だった。

*****

「う…あ"……」

激痛。憎悪。恐怖。あらゆる苦痛が彼を苦しめる。

『いいじゃん。もう楽になりなよ』

彼と同じ容姿をした「何か」が、彼に囁く。
それでも彼は抗い続ける。逃げ場の無いこの状況に、希望のかけらさえ見えないこの現状に。

「いや…だ……」

身体に汗を吹き出しながら、彼は首に吊るされたロケットペンダントを握りしめた。

『ふーん……その意気も何処まで続くかなぁ……ま、頑張ってね』

そう言い残した「何か」は彼を残して虚空へと消える。それを見ながら彼もまた、苦痛の悲鳴を上げながら闇に引きずり込まれて行った。

先生→←ホイッスル



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(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時

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