6-1 ページ18
Side.ショッピ
「疲れた……」
「…ここですね」
「そうみたいやな」
息を上げたエーミールがとある教室の前で立ち止まる。それに続いてショッピとチーノがその場に止まると、ルームプレートに書かれた6-1の文字が二人の目に入った。
そんな二人の横でエーミールは膝に体重をかけながら肩で息をする。
「二階の移動だけでバテるんか、エミさん……」
「いやぁ…大学でもエレベーターばっか使ってて……あんまり身体動かして無いんです………」
そういえばそんな話してたような、してなかったような……。まぁいずれにせよ、少しの移動だけでこれでは…先が思いやられる。
そんな事を考えていると、チーノが教室の中を覗き込むような挙動をするのがショッピの目に止まる。が、直ぐに当惑の眉をひそめた顔でこちらを向き直した。
「中が暗くてよう見えへんわ……。これじゃ実際に入って確認するしかあらへんな」
確認する、異変のようなものの事だろう。確かに罠だという可能性だって無いことは無い。チーノも彼なりに警戒しているのだ。
勿論誰が開けるかという話になったのだが、その問題に迷うことは無かった。
「じゃあ俺が開けます。俺が言い出した事ですし、それに……」
言葉が途中でピタリと止まる。
ショッピは疑問の表情をする二人を一通り見てから、言葉を紡いだ。
「なんか……任せられないんで?」
「「どういう意味やねん!!」」
二人の声が廊下に木霊する。
ショッピはそれを嘲笑すると、再び扉に手をかけた。そして、
「それじゃ、開けますよー」
「ちょ、心を準備が…!」
慌てるエーミールをスルーして、ショッピは扉を勢い良く開けた。
*****
『……先生』
『ん、どうした?好きな子でも出来た?』
『ちゃちゃちゃ、ちゃうわ!!真面目に話を聞け!!』
『あ〜、ハイハイ分かった分かった』
『ハァ…ほんまか……?』
『ホントホント!』
『…まあええわ………。なー、先生。先生が幽霊になったらさ、何したい?』
『んー、どーだろ……難しいな……[蟶�]は?』
『幽霊って事は人から見えないやろ?だから、人間には出来ないような事を沢山するんや!』
『そっかー、[蟶�]らしいな』
『で、先生はどうするん』
『んーそうだなー。幽霊の体質を生かして、困ってる人を救いたい、だな』
『うわぁ……似合わねー』
『なんだと??』
『思った事を言っただけですー。……でも、
なれたらええな。猿山先生』
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楼(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
楼(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時