もしもの話 ページ14
Side.ショッピ
「せやろ、そこで俺はこう考えたんや。これは誰かが仕組んだものではないか……てな」
鍵をショッピとエーミールに見せつけながら、チーノはニヤニヤしながらそう話す。
「……仕組んだ?だとしたら何の為に?」
「俺らを助ける為かはたまた………その反対か。理由はよう分からんけど、俺の探偵としての勘がそう言ってん」
困惑するエーミールにそう回答するチーノ。
彼の考えには納得するものの、ショッピにはそれ以外の問題が頭に浮かんでいた。
「それ以前に、どうして死神先生はいたんでしょうか」
「それは俺にも分からへん。せやけど、死神先生におかしい様子は無かったし、コミュニケーションも取れる。生きてるのは間違いないやろ」
「……そうですね………」
いよいよ頭がこんがらがってくる。もしかして本当にこれはただの夢なのか?そう思って頬を抓るが、ジンジンとした痛みだけが残るだけだ。しかし、そもそも痛みを感じないだけで夢だとは判断できない。……いや、そんなことを考えたらきりが無い。
ショッピがうんうんと頭を抱えていると、先程からオロオロとしていたエーミールが言葉を発した。
「あの……もしも、もしもの話なんですけど………タイムスリップ、とか……ありませんか?」
タイムスリップ………確か時空の歪みか何かで発生するものだったか。しかしそれは、
「…現実であり得る事なんか……?」
ショッピの心情を代弁するかのように、チーノが首を傾げる。
……そう、タイムスリップなんてあまり現実的では無い。そんなものアニメや漫画の中だけ……しかし、この状況下ならば多少は理解出来てしまうのが現状だった。
「それはまた後にしましょう。今考えたって、判断材料はあまりありませんし」
「……そうですね。今は出来るだけ探索に時間を使いましょう」
エーミールがそう頷くのを見て、先程まで頭を抱えていたチーノがバッと顔を上げる。
「そうと決まれば…行ってみるか。職員室」
「はい!………ところで、職員室の場所覚えてますか?」
「……薄っすらな。まぁ、だけど小学校で迷う事なんてそうそう無いし、大丈夫やろ」
「…ほんまに大丈夫なんか………」
「大丈夫ですよ!さ、行きましょ!」
そんな不安を抱えるショッピを押し切るかのように、チーノとエーミールはどんどん歩みを進めていくのであった。
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楼(プロフ) - ただの黒砂糖さん» おめでとうございます!! (2020年7月18日 23時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 10000hit………え??うせやろ??? (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 楼さん» ちょっとヒント与えすぎたかなHA☆HA☆HA……コメントありがとうございます(賢者タイム) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
楼(プロフ) - sn君よ…君が鬼なったこともお兄ちゃんが誰なのかも丸わかりだ (2020年7月18日 20時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
ただの黒砂糖 - 114514さん» 読まれていた…だと……!?あ、コメントありがとうございます。 (2020年7月3日 18時) (レス) id: 93e33a038d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの黒砂糖 | 作成日時:2020年4月19日 13時