ただ貴方に触れたい【煉獄杏寿郎】

残り六日 ページ8

相変わらずお強いですね。


悲鳴嶼さんはいつも優しいのに、強くて。


私には到底貴方の真似なんか出来なくて。


今日も人々を救う為に戦う貴方は、私が一生かけても達成できない目標でもありました。


でも、そんな貴方が猫を可愛がってるいる所を見かけたことがあるんですよ。


人の命だけでなく、小さな命を大切にする貴方がかっこいいです。


次々に鬼の頸を落とす悲鳴嶼さん。


そのスピードは早く、私でもついて行くのがやっと。


人質を最優先に、でも、鬼の頸も落とす。


鬼殺隊最強と言われるまでに、貴方はどれ程辛い思いをしてきたでしょか。


私には、はかり知れません。


子「あ、ありがとう」


助けられた女の子は悲鳴嶼さんの羽織を握り締める。


その手は震えていて、顔色も悪い。


悲「家まで送ろう。家が何処か分かるか？」


子「う、うん」


こうやって貴方は何人の命を救ったでしょうか。


女の子は悲鳴嶼さんの羽織を握ったまま歩き出した。


悲鳴嶼さん、どうして、少し悲しそうな顔をするんですか。


子供が苦手なんですか。


私にはそんなこと聞く権利がないけれど、貴方のその顔を見ると、私まで悲しくなります。


悲鳴嶼さんは女の子を家まで送り届けるとまた鬼の頸を斬る。


悲「Aの為にも私は一人でも多くの命を救う」


悲鳴嶼さんが唐突に口をした言葉に私の目から涙が流れる。


最近、泣く頻度が高い。


死んでしまって感傷的になっているのかな。


今まで殆ど泣くことなんてなかったのに。


でも、貴方の言葉で泣いてしまうくらい貴方を信頼していましたよ。


私なんて、柱だと言ってもまだまだひよっこで、みんなに支えられて今までやってきたんですよ。


悲鳴嶼さんにも沢山支えられましたよ。


貴方が立派だと言ってくれたことがすごく嬉しかったです。


最後まで私の事を褒めてくれて。


私、甘やかされてますね。


でも、貴方が言うのだから本当に立派だったってことですよね。


貴方に頼ってばかりでごめんなさい。


貴方が、心の中の足枷から解き放たれますように。


私は悲鳴嶼さんの屋敷で一夜を明かした。

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