ただ貴方に触れたい【煉獄杏寿郎】

私の最後 ページ1

『どこへ行くの！まだ勝負は終わってない！』


鬼舞辻無惨と戦っていた私は重傷を負った。


しかし、身を翻し、去ろうとする鬼舞辻に対して大声を上げた時、体に違和感を覚えた。


『あれ？体が軽い。怪我もなくなってる』


おかしい。


沢山の怪我を負ったのに、擦り傷ひとつないなんて。


私が自らの体を見下ろしている間に鬼舞辻は姿を消していた。


隠「ああ！！！空柱様ぁぁぁ！大丈夫ですか！早く手当を！！」


大きな声で呼ばれ振り返ると焦燥仕切った隠の姿が見える。


『心配させてごめんね。でも、怪我してなくて。手当はだいじょ…』


近づいてくる隠を安心させようと笑顔を浮かべて、手を伸ばす。


『あ、れ…？』


私の体をすり抜けた隠は一目散に私の後ろへと駆ける。


次々に隠はやって来るが私には目もくれない。


隠「空柱！空柱！駄目だ…。息をしてない」


私の目線の先には、隠に囲まれた血だらけで青白い顔の、もう一人の私がいた。


心臓がドクンドクンと大きく波打つ。


『ど、どうして…。私、死ん、だの…？』


空柱 AA 鬼舞辻無惨との格闘の末、死亡


鎹鴉の知らせが憎たらしい程晴れた青空に響き渡った。

今までありがとう→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す