寝たら即帰宅の旅。

3-29 誓いの棒 ページ30

5:40


としみつが帰り2人きりとなってしまったAとしばゆー。






寝ない旅完走まで残り4時間半。
ゴール目前である。

しばゆーは目を覚ますためお風呂に向かった。
Aはその間ラジオ体操をする事にした。



早朝からラジオ体操の軽快な音楽が流れる。


♬*.*･ﾟ .ﾟ･*.






しばゆーがお風呂から戻ってくると何故かA以外のメンバーも参加していた。



「え？え？元気だね〜君達。」

『ｼﾊﾞﾕｰｸﾝﾓ、ﾔﾛ｡』

「ﾜｶｯﾀ､ｵﾚﾓﾔﾙ｡」





2人で仲良くラジオ体操をした後、朝食の時間まで外で散歩することに。



「散歩なんて可愛いもんじゃないですよ。」

『止まると寝るんです。』








中では寝てしまう危険に気付き二人でとにかく体を動かす。

歩き続けているといつの間に琵琶湖の方に来ていた。



「あっ。」

『…！！』






しばゆーが見つけたのは波側に立っている1本の棒。知らない人から見たら何の変哲もない棒だが…




「あの時あいつらと立てた誓いの棒だ。」

『ゆめくん…としくん!!』

「アイツらの意思はここにあった！！」




2人はここで朝食の時間を待つことにした。
フラッシュバックするみんなの記憶。



「ここまで来たら寝ないぜ。」

『やってやりましょう！』







胸に完走の闘志を燃やし朝食へ向かった。





「ね！みんな朝ごはんだよ！」


『7人分ちゃんと用意してありますよ！』


「朝ごはんだよ……」





2人の声しか響かず、虚しく人数分の食事が用意されている。





「哀しみの向こう岸に」


哀愁を漂わせてKの『Only Human』を歌うしばゆーにAは合わせてぱち…ぱち…と拍手する。


さらに悲哀感が増す。








し
「食で回復って言ってませんでしたっけ。」


『この最終日、3日目にして分かったことがある…！ 睡眠があってこその食欲!!』


し
「知ってたよ…！それは!!」


『睡眠しか勝たん…。』

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