東海オンエア短編。 (ページ38)

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｢そういえば、全然遊園地とかテーマパーク行ってないなー。｣

『確かに、このご時世ですし…』

｢そーねー…
全然行ってないと、無性に行きたくなるとかあるよね。｣

『ダメって言われるとしたくなっちゃうみたいな感じですか？』

りょうくんの得意技ですね、と一言余計に付け加えられる。

一応そんな事ないじゃんと返すが、
思い当たる節しかなくて自分で笑ってしまう。

『りょうくんの十八番は

ねー、1回だけ!!と大丈夫だから!です。』

Aが俺の真似するのが面白くて吹き出して笑う。

｢それは言ってるかもしれん。｣

そんな会話をしながら鬼が来るのを待つが
なかなか来ない。

ゆめくんほんとに苦手なんだな…。

その場から見えるアトラクションを見ていると、
観覧車を見つけた。

『あ、観覧車だ!! 結構大きい… 』

｢ん…？あ、ほんとだー。｣

『わーー、久しぶりに見た!!』

俺もー、と言って観覧車を見上げるAの方を
見ると目をキラキラさせていた。

子供みたいな表情をしてる彼女を思わず
可愛い、と感じた。

｢好きなの？観覧車。｣

『うん、
大人になるにつれちょっと怖さもありますけど…
好きですね。』

｢今度、一緒に乗る？｣

『え！』

一瞬嬉しそうな顔をするが、でも…と続ける。

Aは思慮深い所がある。きっと、俺は忙しいし
こういう所は好まないだろう…とか相手に合わせてもらうのは…と考えているんだと思う。

そんな事ないのになー、だから恋愛面で鈍感な所も
あるんだけど。