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失礼致しました…!!と慌てる素振りで彼女の手を優しく持ち上げ、ティッシュで拭き取る。
『ありがとうございます…』
「いえいえ、
あの、1つ提案があるのですがよろしいでしょうか。」
『なんでしょうか…』
「これ以上貴方様の手をお汚しするのも
いけないと思いますので、
私がお持ちして食べてもらうのはいかがでしょう。」
!?
彼はいたって真剣な顔でそうに言ってた。
『それはつまり…』
「はい、
あーんさせてもらってよろしいですかという事です。」
直接言われるとやっぱりちょっと照れる。
思わず顔を背ける。
『大丈夫です、
これを解体して食べることも出来ますし…』
「その食べ方は…少し邪道と言いますか
汚い食べ方になってしまいますよ、お嬢様。
いいのですか?」
ここで直接的な表現を使ってきたとしみつくん。自分は何かのキャラの姫だと言うことを確信させてきた。
『う…ぅ……。』
「お嬢様にはそんな事させられません。
これはお願いではなく命令です。
マナー良く美味しく頂いて下さいね。」
としみつくんにバーガーを奪われ大きな手でしっかり包み込まれる。そしてちゃんと食べやすい部分を彼女の方に向ける。
「どうぞ。」
頬を染めて恥ずかしがりながらいただきます、と言ってとしみつから頂く。
「おいし?」
正直ドキドキして味なんて分からないけれどこくこくと頷いた。
良かったと、としみつは愛しそうな目で彼女を見つめ微笑む。
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作成日時:2021年2月22日 8時