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7話 偶然の出会いはお断り ページ7

四時限目の授業が終わり、昼休み。私と桃井は、昼食を食べるため食堂に来ていた。

「わあ、今日も混雑してるね」

「そうだね」

適当に空いている席を見つけて、腰掛ける。

念のため説明しておくが、私は基本桃井と二人で昼休みを過ごすことが多い。つまり、クラスも違うバスケ部の彼奴等とは日頃まともに行き合うことすらなかった。

一緒に昼食を食べる。一度は憧れたが、そんなことを自分から提案する勇気もなければ案の定誘われることもない。でも、一度だけならあった。あくまで部活関連の召集だったが。

その日の場合は、翌月に控える大会の日時や細かい詳細について説明するから、という名目で呼ばれた。まあ、一緒の席で向かい合うだけで緊張してろくに何も話せなかったから、今のまま桃井と二人の方が良いと心底思っている。

変に目立ったって、良いことは何もないのだから。

「じゃあ、私購買でパン買ってくる」

「行ってらっしゃい」

桃井の後ろ姿を見届けてから、私は自分の弁当箱の包みを広げた。勿論母の作ったものだ。

桃井が来るまで待っていようと、暫くボーッと周りを眺めていた。帝光の食堂は毎回大勢の生徒が利用する為、相変わらず人の波が途切れない状況だった。

そんな中、私の視界の隅に何か引っ掛かるものが映りこんだ。違和感を感じてそちらに目を向ける。

「……げ」

思わず口から何とも言えない声が出た。

反射的に顔を背け俯く。

私が偶々向けた目線の先には、見知った人物達がいた。察しの通り、そこにいたのは愛莉を含むバスケ部の面々だった。

周りより頭一つ分背の高い彼等は、すぐにどこにいるのかわかる。それに、各々(おのおの)があの謎に個性的な髪色だ。目立たないはずがない。

彼等はどうやら席を探しているようだった。大人数なものだから、全員が一緒に座ろうとすると中々見つからないだろう。

思わずハッとして自分の周りを見る。

隣のテーブルが、偶然にも空席だった。しかも四人掛け。一方私の座っているテーブルは三人掛け。……これはつまり、もし彼等がここに来た場合、私は空気読めない奴と認定されるのだろうか。

……よし、席を変えよう。

思い立ったが早く、弁当箱を抱え急いで立ち上がった。だが、一足遅かったらしい。

「すみません、ここ空いてますか……ってあれ、七瀬先輩?」

「……あ」

何とも最悪なタイミングなことで。

8話 余計な心配は不要→←6話 嫉妬の連鎖



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翡翠(プロフ) - 七奈那さん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい本当にごめんなさい!面白いといって頂けてとても嬉しいです。最近忙しくて全く更新できていませんが、早く続きを作るようがんばります! (2020年3月4日 0時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
七奈那(プロフ) - いいお話ですね。とても面白いです。早く続きが読みたいです!応援してます。完結するのが楽しみです (2020年2月11日 17時) (レス) id: 98ad0ce5fe (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます。この作品を読んでもらえてとても嬉しいです!最近更新できていなくて本当にごめんなさい。私も完結させたいので、また近いうちに更新できるよう頑張ります。引き続きよろしくお願いします。 (2019年11月6日 22時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 作品読ませて頂きました。凄く面白いですね。もう更新なさらないのですか?できれば完結させて欲しいです。待ってます (2019年11月6日 21時) (レス) id: ac5c9fd8b6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 黛夕那(#・∀・#)さん» コメントありがとうございます!読んでもらえてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張りますね! (2019年9月1日 11時) (レス) id: c98d4fab9f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翡翠 | 作成日時:2018年12月23日 16時

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