松野千冬の好きな人。

▽ . 05 ページ7

.






■ side . 千冬






.







「 場地さん見ました？朝のAの顔 」

「 お前、ほんっと大人げねェよな 」

「 いやぁ、可愛いあいつが悪いんっスよ 」






放課後。


あの後、ねだってくるAにキスをすれば、


『 き、嫌いだもんばぁか 』


って、涙目でそう言って教室を追い出された。




彼女からしたら反抗のつもりだろうけど
俺からしたらそんなんただの煽り。


抱いてくださいって、言われてるようなモン。



それ分かってねぇで無意識にしてくるからタチがわりぃ。






「 お前らお互いがだいっっっっすきだもんなァ 」

「 はい、大好きっス、…虐めたくなるくらい 」

「 その限度を考えろって話だろ 」






ため息混じりに笑う場地さん。


それにしても久しぶりに触れたあいつの唇。

いや久しぶりってつっても数時間ぶり。



帰ってはキスしまくってるし。

触れまくってるし。

俺を下さいってヨガらせてるし。



とにかく可愛いんだあいつは。






「 んだよそのツラ、緩んでんぞ千冬ぅ 」

「 まじっスか 」






これ以上緩まない様に自分の頬を摘む。


つか、俺から触れねぇ、とか言っといて
結局我慢できなくて触れてんの俺じゃん。



あいつじゃねぇと満足できねぇの俺じゃん。

くそほど抱きたくなってんの俺じゃん。



は？なんかイラついてきた。






「 千冬ぅ、何イラついてんだ 」

「 なんか俺ばっかりって思ってたらイラついてきて 」

「 あ？」






乱暴に場地さんの隣の椅子に腰掛ける。



いやだってイラつく。

なんで俺ばっかりこんな求めてんの。



あいつに触れねぇ期間、
どうやって我慢すんの？つかできんの？



できなくね？




ってのは、
ぜぇっっっっってぇ、あいつには秘密。






「 場地さん、めちゃくちゃ抱きてぇっス 」

「 俺に言うナ、それゴヘイ？だろ 」






あいつの意地っ張りいつ終わんだよ。








.

▼ . 06→←▼ . 04

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す