歌い手さんたちの恋愛事情

▽ ページ41

"信じられない"
なんて顔して私に何度も同じこと聞いてくるなるせ


「なるせ、わ、私」

な「、うん」

「っ、なるせのこと、大好きです」


なるせの手を握って、なるせの顔を見つめて
涙でぼろぼろな顔で一生懸命伝えた

なるせに伝わるように
信じて貰えるように


な「…うそ」

「うそじゃないよ」

な「…え、まって、まってまって」


そう言うとなるせは両手で頭を抱えて
俯いてしまった

…え、あれ
想像してたのと違う

あれ？もしかしてこれ困ってる？


「な、るせ」

な「っ、ぐす」

「…？」

な「まってよ…こんなん、うれ、嬉しすぎ」

「…」

な「やっば…っ」


肩を震わせながら泣いてるなるせを見て
胸がきゅううってなる


「なるせ…」


なるせの肩にそっと触れると
がばっと顔を上げこっちを見てきた


な「俺と、付き合ってください」

「…」

な「…返事は？」

「、っはい」


綺麗な顔で涙を流しながら
私を見つめてくるなるせに釘付けになる

「はい」と返事をすると眉間にぎゅっと皺を寄せ
強く抱き締めてきた


な「〜っ、や…っっっったああああ！！！！」

「！！うるさ、っ」

「Aが、あのAが…っ、！」


ぎゅうううと潰す気かってぐらい抱き締められたあと
ぱっと体を離してまた見つめてくる


な「Aが、俺の彼女…？」

「ふふ、うん」

な「俺は、Aの…彼氏？」

「うん、彼氏」

な「誰の？」

「私の彼氏」

な「〜っ！っっ嬉しすぎ…！！」

「んははっ、泣きすぎ」


またぽろぽろと涙を流す
なるせの涙を両手で拭ってあげると
「お前も泣いてんじゃん」と拭われ
目を合わせて笑い合う


な「大事にする」

「ん、」

な「絶っっっっ対幸せにする」

「…ん」

な「大好きだよ、A」

「…っ、私も大好き、なるせ…大好き」


いつの間にか私の頭を撫でていたなるせの手は
そのまま首の後ろに移動していて
もう片方の手は繋いだまま


な「…ちゅーしていい？」

「…うん、」


手と首をぐっと優しく引き寄せられ顔を近付けられて
ゆっくり瞼を閉じると ちゅ、と唇が触れた


「…」

な「…っ、夢みたい」

「ふふ、なにそれ」

な「なんか、鳥肌たつ」

「悪口？」

な「なわけねえだろ、」


再び引き寄せられて
さっきよりも長いキスをされる

何度離れても私を求めるように
何度も何度も唇を重ねてくるなるせが愛おしくて

時間を忘れるほどなるせに夢中になった

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