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「アンタ、大丈夫なわけ?」

「あ……さっきは、ありがとうございます」

「…別に?それよりもこっちで見たら?見たいんでしょ?玲王くんのこと」



正確には玲王くんと、誠士郎が見たいのだけども

私は彼女のお言葉に甘えるように隣に腰を下ろした。


パンッと大きな音を立てたスターターピストルのスタート合図に合わせて

借り物競争が始まったのだ。



言わずもがな、玲王くんと誠士郎が先頭争いをしていて他の選手との差が大きい。

これはぶっちぎりだろうなと思っていると

2人ともキョロキョロして何かを、いや、誰かを探している様子だった。





「「A、一緒に来て」」





少し目を離した次の瞬間、私に向かって手を伸ばす2人に戸惑いが隠せない私はどうしたら良いのかと目をぱちぱちさせてしまう。

どちらと一緒に行けばいいのだろうか、2人が同じものを見つけるなんてことあるのだろうか

なんてごちゃごちゃ考えていると、2人に引っ張られて何が何だか分からないまま私は走っていた。




「っは…凪、お前もAかよ」

「玲王こそ、Aじゃなくてもいいんじゃない?」

「無理、A以外じゃこのお題はダメだ」

「俺も、Aがいい」




2人の優しさが垣間見える。

普通に走ればもっと早いのに、2人はそれをしないで私の足の速さに合わせてくれているから。

そんなのは油断だった。

急に、玲王くんが大きな声であっ!と言うから私も誠士郎も足が止まってしまった。

その時を玲王くんは見逃さなかった。



「っきゃ……!」

「あー!玲王、俺もしたかった」

「残念だな?凪」



玲王くんはあろう事か私のことをお姫様抱っこしたのだ。

グラウンドからは悲鳴に似た声が響いていた。

それはそうだ、私が連れていかれた時点で悲鳴が聞こえていたのだから。





「お、降ろして、玲王くん」

「あ?ヤダ」

「恥ずかし、いから…!」

「何が恥ずかしいんだよ、俺の女だろ?Aは」




堂々としてろ、そう言ってくれるものの恥ずかしさが消える訳でも無く

心臓がドクンドクンとうるさい

こんなに密着していて玲王くんに聞こえない訳がないと、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。




「A、俺にも後でさせて」

「や、やだ!恥ずかしいって……!」




玲王くんがお姫様抱っこをしてからというものの速さが段違いになり、見事一位になりました。


係の人がすごく戸惑っていたのが印象的だった。

それはそうだ、同じお題じゃないのに同じものを持ってきたのだから。



「ふ、2人とも同じですか?」




「あ?俺好きな奴だから、A」

「俺は大切な人だから、A」

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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 凪誠士郎   
作品ジャンル:恋愛
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もむ(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……!咲夜さん、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (11月10日 20時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月11日 21時

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