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人間の心配事の9割は実現しない。
誰かがそういった言葉を私は身をもって体験した。
それはそうだ、彼女は玲王くんが好きなのだ。好きな人に嫌われるような行為をするはずもなく、練習の時もなんだかんだ優しくしてくれた。
個人的に何か関わったりすることは無かったけど
それでも私はそれが嬉しくて、ありがとうと伝えたいと思っていた。
そんなことを思いながら体育祭当日。
私達の応援団は、男子が学ラン、女子はチアガールの格好をするという何とも体育祭らしい衣装で身を包んだ。
ただ、この服で人前に出るなんて出来ずに教室で体操着を上から着て縮こまる私。
｢Aー、お、居た。なんでお前ジャージ着てんの？｣
｢玲王くん｣
｢最初にAのチア見たくて凪出し抜いて来たんだけど？｣
｢……はず、かしくて。スカート短いし、上も、短いし｣
3年生のお姉様方や、同じクラスの彼女は出るとこで出て締まるところは締まってて良いかもしれない。
私はちんちくりんもいいところだ。
誰も知らないとはいえ、玲王くんにも誠士郎にも恥ずかしい思いをさせてしまうのでは無いかと出られない。
｢いいから、見してみ？｣
｢……や、だ｣
｢分かった、じゃあ後ろ姿だけでも見して？｣
玲王くんはずるい。
後ろ姿なら私のちんちくりんは誤魔化せるかもしれないと、後ろなら良い様な。なんて思わせてくるから狡い。
私は素直に後ろをむくと、玲王くんはいい子。そう私に囁いてジャージのジッパーに後ろから抱きしめるみたいに手をかける。
その行動に驚いてパッと後ろを振り向くと
キスしてしまいそうなくらいに顔面距離が近くなり、心臓がバクバクとうるさくなる。
クラスメイトはみんな外に椅子を持って移動していて
私と玲王くんだけの空間。
｢馬鹿、俺の理性が勝ってるうちに後ろ向けよ｣
｢う、ん……ごめんなさい｣
私は今、玲王くんにキスされてもいいなんてどうして思ってしまったのだろうか。
艶っぽい彼の目を見てしまったからだろうか。
｢ん、似合ってんじゃん｣
｢玲王くんの、嘘つき…｣
｢前を見ねぇなんて、俺言ってなくね？｣
私の頭の中が玲王くんに支配されそうになる。
玲王くんの表情が言葉が頭の中に焼き付いて、ぐるぐる巡る。
｢…その顔、凪には見せないで｣
｢え？｣
｢その潤んだ瞳も、真っ赤な頬も、困った表情も俺だけが欲しい｣
｢玲王くん…？｣
｢Aからの好意も俺だけだったらいいのに｣
寂しそうな顔でそう伝えると
玲王くんは私を抱きしめて
そのあとは、そんな顔も、このやり取りも無かったみたいに私の手を引いて歩き出した
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
