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ふたりと同時に付き合うなんて事件があり、すっかり忘れそうになってた体育祭。
誠士郎がどうしてもと珍しく先生に熱弁していたら、先生が絆されました。
あの凪がやる気に……!?先生嬉しいぞ!みたいな感じに。
なので私たちのクラスだけ、実行委員が3人という特例が実施されたのです。
「じゃ、今から競技決めと、応援団決めすっけど、自薦推薦問わねぇから意見あるヤツいる????」
仕切りは玲王くん、私は書記で、誠士郎はというと
書記をしている私の隣で私をじっと見ています。
正直恥ずかしくて、玲王くんのお手伝いしてと頼んでも
「Aが玲王の名前呼んでて拗ねてるから無理」
なんて私にだけ聞こえるように言って、教卓で死角になっていることをいい事に私の余っている左手を両手で包んでくる。
誠士郎が共有しようとか言っていたのに、そうしたら喧嘩しないってそう言っていたのに拗ねているじゃない、と思ってしまう。
でも、ヤキモチ妬いているんだなぁと思うと可愛く思えたり。
やっぱり私は今、どっちつかずで最低な立ち位置にいるなぁなんて思っていると
「Aー、100m徒競走、俺推薦」
「あ、うん」
「え?玲王でるの?なら、俺も出るから名前書いてA」
「え?うん?」
流石玲王くんと言うところだろうか。
ほぼ全ての競技に推薦されていて、謎にそれに対抗するように誠士郎が珍しくエントリーしていた。
私は足を引っ張ることしか出来なくて出るのは玉入れとかそういう競技。
「っと、あとは応援団だな、体育祭委員は強制だから後女子一人だな」
しまったと思った。
私はあの一件からそこそこいた友達もいなくなってしまったし、そんな私と応援団を共にしたい人なんて、と思っていると
御影玲王パワーは凄いのか、女子が後一枠を取り合うようにジャンケンをし始めた。
「流石玲王ぱわー」
「んだ?それ」
「あの人たち、玲王がいるからジャンケンしてるんでしょ?すげーじゃん」
「興味ねぇし、俺、彼女しか見ないタイプ、な?」
女子の声にかき消されるような声でそう言って私を見る玲王くんに
私の心臓も頭も反応してしまって戸惑って赤くなりながら逃げるようにしゃがむことしか出来なかったのに
「あー、玲王ずるーい。俺だって彼女しか見ないし。ね?A」
「っう、耳元で言わないで…!」
「……なにそれ、可愛すぎ」
追い討ちをかけるように誠士郎は私の耳元で囁くし、私の反応が楽しかったのか誠士郎はもっと耳元で話しかける。
「凪ばっかに反応すんなよ、A」
「だめ、玲王にだけ反応しないで」
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もむ(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……!咲夜さん、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (11月10日 20時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月11日 21時