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｢玲王、Aはあぁいうの、苦手なんですけど｣
｢あん？仕方ねぇだろ？クジで当たったらなんかやる気なくすし、だったら立候補した方がいいと思ったんだよ｣
｢Aじゃなくてもいいじゃん｣
誠士郎は御影くんに、私のことを気遣って怒って拗ねてしまっている。
190cmの巨大な男子が机に抱きついて離れないのだ。
それを見ても、可愛いなぁと思うくらいには私は誠士郎に盲目なんだろう。
｢わかってねぇな、凪。A以外の女子としたくねぇからだっつーの｣
思ってもないことが、その場で出たでまかせだとしても心臓が一瞬キュッとしてドクンと音を立てて脈打つ。
いつもはなんて事ない、体の一部で何も気にならない心臓の音がするのに、最近は脳まで響くような音に困惑してしまう。
｢うわーん、玲王が俺のA取ったー｣
｢わっ、誠士郎…！苦しい、離れて｣
｢やだ、Aチャージ中だから｣
誠士郎に抱きつかれると、さっきと同じく大きな音を立てながら心臓が動く。
私は生憎、鈍感と言われる部類の可愛い人間じゃないから
もしかして私は、御影くんも意識しているのではないかとそういう結論に至りそうになるのだけど
違う、違うと自分に言い聞かせた。
だとしたら私の本当の気持ちはどっちなのか分からなくて頭がごちゃごちゃして理解が追いつけなくなる。
私は小さい頃から、誠士郎が好きなのに最近知り合った御影くんに心を奪われるなんて意味がわからない、理解ができない。苦しい。
私は、誠士郎が好きなんだから、揺るぎなくない。
この匂いも、眠い目も、面倒臭がりなのに、大事なところで助けてくれる所も全部好きでずっと隣で見てきて
｢んじゃ、俺もAチャージ、な？｣
｢っ、あ、御影くんも離して｣
｢やだー｣
｢もうさ、共有する？Aのこと｣
｢お、それいーじゃん。そしたら俺らも喧嘩しねぇし？｣
｢い、意味わかんないから！いい加減離して｣
御影くんは友達として
友達として普通に好きなだけ、どうでもいい関わりたくない存在から、知人程度になって友達で、友達として嫌いではなくなって
今は普通に好きになっただけ。
だから、これは恋じゃないのに。
どっちも好きなんて最低だと分かっている。
｢俺ら2人の彼女なる？A｣
｢は、い？なんでそうなるの？！｣
｢んー、だって、俺A好きだし。玲王も譲らないし、そしたら俺らと付き合えば解決じゃん？｣
でもそれを上回ることを言ってる誠士郎の頭の中も理解できなくて
私のことも理解できなくて頭がパンク寸前になってしまった。
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
