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そんな願いとは裏腹に

御影くんによる、名前で呼ぶ特訓を始めてしまった。

それも決まって、誠士郎が寝ている時や、席を外している時。





「よし、凪寝てんな?んじゃ、ほら、A呼んでみ?」

「…む、無理…です」

「あん?なんで敬語に戻ってんだよ。ダメっつったろ?」




顔面の暴力は辞めてください、御影くん。

近いし、恥ずかしいし

誠士郎に黙って空き教室で特訓なんて後ろめたくて余計できません。

でも、多分教室でしないのは御影くんなりの配慮なんだろうとは思うけど

2人で空き教室入っている時点で周りの女子から怪しがられているのを御影くんは気づいているのだろうか。




「Aー」

「だ、だから、今はまだ、御影くんで精一杯…だから…」

「んま、そこが可愛いけどよ、俺が我慢できねぇ」

「っ、ちょ、や、近…い」




いや、気づいていないのだろう。

気づいていたら、こんなにも顔を近くにしたり
私の髪の毛に優しく触れたり

こんな迂闊なこと、しないと思うから。




「名前呼んだら、解放してやる。呼ばねぇならキスする」

「や、だ、だ、だめ」

「呼べば解放だぜ?いい条件じゃん」



それは御影くんにとってのいい条件なのであって、私にとってのいい条件じゃないのにもきっと気づいてない。





休憩時間終了まであと5分




私はどうしたらいいのだろうか、呼ぶべきなのだろうか

でも、誠士郎が嫌がっていたのに、呼んでもいいのだろうか

私は好きな人の嫌がることをしたい訳では無いのに。






「んま、今日はこれで勘弁してやんよ」

「…え?」

「なに?それともキス、したかったか?」

「意地悪しないで…」

「悪ぃ悪ぃ。暫く2人きりになれるなら御影くん、でもいいって思ったんだよ」






私はそもそもが疑問だ。


なんで御影くんは私を宝物だと、そう言うのだろうか。


誠士郎は理解出来る、サッカーが上手だから。

私はただの誠士郎のオマケなのに。


ただからかってるだけなのか、本当に分からなくて困惑する。



でも、少し悲しい顔は本当なんじゃないかって思ってしまうから






「…玲王、くん…っ…」

「は?」





私はつくづく、馬鹿だ。

誠士郎がいるのに





「も、もうこれで勘弁して。1回呼んだから、うん、ご褒美終わり」

「っは、待てよ、ずりぃだろちゃんと聞かせろよ」





でも、悲しい顔するのが、ずるい。

耳を真っ赤にさせながら困ったように笑う御影くんにドキドキなんてしてない。

名前を呼んだから、ドキドキしてるだけで




「なぁー、ダメか?もう1回」

「お、終わり」




そういうのじゃ、ない。

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設定タグ:ブルーロック , 御影玲王 , 凪誠士郎   
作品ジャンル:恋愛
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もむ(プロフ) - 咲夜(さくや)さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……!咲夜さん、読んでいただきありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (11月10日 20時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜(さくや)(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もむ | 作成日時:2023年10月11日 21時

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