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｢なぁ、ご褒美ねぇーの？なぁ、凪｣
｢ご褒美欲しー｣
放課後、いつもの時間のグラウンド。
休憩中に、2人からご褒美を要求される私は不可解な顔をしてしまった。
授業でサッカー部に勝ったご褒美だということは頭で理解している。
だけど、人からそういうことを言われたことが無い私は何がご褒美になるのか全く分からなかった。
誠士郎なら、マッサージとか？ひたすらダラダラしてる時にお手伝いしてくれる券とか？
そういう予想はつきやすいけど、御影くんはどうしましょうか。
あの、あの財閥の坊ちゃんに私は何をあげたら？
自動販売機のジュースなんてものを上げて、我にこんな庶民のものを献上するかとかそうなったら申し訳ない。
かと言って、私は貰ったお小遣いでやりくりする学生で、高価なものだけは無理。
｢玲王、A固まってる｣
｢んあ？んな難しいこと言ってねぇよ？？おーい戻ってこーい｣
｢あ、ちょ、玲王近すぎ｣
｢あ？凪も近ぇし｣
もうどうしようかと考えを巡らせて、無理です分かりませんと言おうとすると
目の前に御影くんの顔と誠士郎の顔。
いや、近い。
近いです。
流石に、恥ずかしくて全身の血液が顔に集中する感覚が分かる。
｢あー、かーわいいA｣
｢だな、顔真っ赤だぞー？A｣
｢あ、ねぇ、何名前呼んでるのさ玲王｣
｢いいだろ？凪だって呼んでんだし｣
｢だめ、絶対だめ、俺だけの特権なの｣
なんでこんなに恥ずかしいことをこの人たちは恥ずかしげもなく言えるのか、誰か教えてください。
誠士郎、可愛いとかそんな、俺だけの特権とかそんなの言われたら嬉しいに決まっているし恥ずかしいに決まっています。
御影くんも、急にそんな優しい声で名前を呼ばないでください、呼ばれる準備なんて出来てないのです。
｢あ、俺決まり。ご褒美｣
心が忙しくて理解も処理も追いついていないのに
御影くんは、そう言って私のことを引き寄せると誠士郎が止める声を無視して私の耳元で囁いた。
｢な、玲王って呼んで？A｣
御影くんの甘ったるくて高いような低いような声が耳に響いてくすぐったい。
近い距離に心臓がうるさくなる。
私は、誠士郎が好きなのに。
なんで好きな人がいるのに、他の人に心臓が反応してしまうのだろうか。
｢だめ、Aが名前を呼ぶのは俺だけでしょ？｣
私は人として最低なのだろうか
御影くんに引き寄せられてもドキドキしてしまって
誠士郎に引き寄せられてもドキドキしてしまっているのだから。
御影くんとは程々を保っていなければダメなのに。
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
