⚽17 凪誠士郎side ページ17
｢38.0℃、今すぐ帰宅よ凪くん｣
｢やだ。俺が帰ったらAと玲王が2人きりになるし｣
昔からAは俺以外の心を開いてない奴には敬語だった。
一定の距離で近づかないでと言わんばかりの雰囲気を纏って。
特に男にはそれが顕著に出ててた。
原因は分かってる。
女の子の問題に巻き込まれたくないからとずっと言ってたから。
俺は？と聞くと、誠士郎は幼なじみ以上に何も無いでしょ？と言うから何となくショックで
でも俺だけが特別楽に話してくれているなら、それでいいってそう思ってた。
一定の距離を保つAに安心しきってた
これから先きっとずっと、砕けて話す男は俺だけできっと俺とAは一緒にいるって
｢あら、君はそういうこと、興味無さそうなのに｣
｢別に、先生には関係ないんで。教室戻る｣
｢残念だけど、養護教諭としてそれは認められない。とりあえず1時間目だけでも休みなさい｣
なのに、玲王がAに興味を示した。
玲王みたいなタイプはAが1番苦手だし、案の定面倒くさそうにしてたし
油断してた。
少し砕けた顔をするようになって、俺の特別だった話し方も玲王にしてて
焦った。
俺が玲王とサッカーをしてても、Aが見てくれるのは俺だと思ったから
｢……郎……？誠士郎？｣
｢A……？｣
｢大丈夫？｣
夢か現実か分からなかった。
すごく心配そうな、Aの顔。
そんな顔しないで、俺の前ではムスッてしててもいいから
たまに見せてくれるその笑顔でいて。
｢……寒い…A｣
｢うん、帰ろ？｣
｢やだ……帰ったら……｣
帰ったら、玲王ともっと仲良くなるでしょ？
俺なんかより、かっこよくて財力も学力も運動力もある、なんでもある玲王を好きになるんでしょ。
そんなこと、絶対嫌だ。
｢凪！荷物もってきたぞ｣
｢ありがとう、御影くん｣
｢ったりめーだろ？俺の宝物なんだから。何でもしてやんよ｣
やだ、やだやだやだやだやだやだ。
｢Aは俺の宝物だよ、玲王｣
｢え？｣
玲王のことは好き。
Aと居る以外つまんない俺の日々に、サッカーっていう面白いものを教えてくれたから。
何でもしてくれるし、お世話してくれるし
でも、そんな玲王でも俺はAは譲れないよ。
｢せ、誠士郎？ちょ、っと…！｣
Aの腰に抱きついて玲王に宣戦布告をする。
Aに何言っても全然響かないのが少しムカつくけど
幼なじみってだけでこんなに一緒にいるわけないこと、いい加減気づいて欲しい。
｢玲王には負けない｣
｢上等、かかってこいよ、凪｣
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
