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｢よっす、A｣
｢…おはようございます｣
｢なぁ、それ、どうにかなんねぇ？｣
今日が始まってまだおはようの挨拶しかしていないのにも関わらず
それ、という曖昧な言葉で何かを辞めさせようとする玲王坊ちゃん。
心当たりは、ある。
多分敬語だ。敬語で話すなと何回も再三言われるから。
でも、私も理由もなく敬語で話している訳では無い。
｢なりません｣
｢なんのことか分かってんのかよ｣
｢敬語について、ですよね？｣
｢ﾁｯ…分かってんなら止めろ｣
｢嫌だと前にも言いました｣
この一定の距離を保ちたいからだ。
女の子には結局、隣の席の人という認識以外はありません。と言ってお引き取り頂いているし
女の子も日々の私の玲王坊ちゃんに対する態度を見て、徐々に理解してくれているのだろう
何も言われなくなった。
と、思いたいが実際には私ごときに取られるわけが無いと思っている人が一定数いたから平和に過ごせているのだった。
｢俺、欲しいもんは必ず手に入れたいんだよなー｣
さすが金持ち思想。
なんて思いながら聞き流していた。
そう、聞き流していて油断していたのは私だ。
でもまさか
｢っひ…！｣
｢んだよ、お前、俺に近づかれてんのにお化け見たみてぇな声出しやがって｣
いつの間にか隣の席から前の席に移動していたなんて
読書をしていたから分からなかった。
少し時間を確かめようと思って顔を上げると
玲王坊ちゃんの顔が丁度本の厚さ程度の距離で
それに驚かない人はいるのでしょうか。
｢Aー、ノート忘れ…ねぇ、近いんだけど誰、何してんの｣
｢っと…邪魔すんなよ、お前こそ、誰｣
そしてファーストコンタクトで何故か険悪ムードになってしまった2人が
唯一無二の親友になるだなんて
誰が予想できたのだろうか。
｢…誠士郎、ノートありがとう｣
｢は？お前なんでコイツには名前で呼んでんの？しかも仲良さそうじゃん｣
｢残念だったね、御影坊ちゃん。俺とA、仲良しだから｣
しかもなんでも出来る誠士郎が、面倒くさがってやらない運動を
サッカーを一緒に始めるだなんて
誰が予想できただろうか。
この頃の私は、目立ちたくないから早くどいてくれないかな美形男子めって
そんなことしか考えていなかった。
｢お前、どこのクラスだよ｣
｢俺？俺、このクラスだけど｣
｢は？｣
｢あー、俺ずっと寝てるし存在感ないんじゃない？｣
男の子という生き物は不思議なもので
｢ぷっ！なんだよそれ！お前おもしれーじゃん！｣
急に仲良くなるから難しい。
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もむ(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» 大分お返事遅くなり申し訳ございません……！咲夜さん、読んでいただきありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (11月10日 20時) (
レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。 (10月29日 18時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年10月11日 21時
