こっち向いて！千切くん！【ブルーロック】

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潔くんが分からずに1人頭を抱えている。

千切くんのこと好きだって事は彼が1番わかっているはずだ。

ずっと相談に乗ってくれてたのは潔くん達なのだから。

なのに、どうして素直に喜んでくれなかったのか、あんなに寂しそうな顔をするのか理解ができない。

成就するななんて思うようなタイプの人じゃないと、思うのだけれど

私の思い違いなのだろうか。




｢あ、いた。A｣

｢……｣

｢A？おーい、無視すんなー｣



潔くんには後でしっかり怒りたいと思う。
なぜなら、私は私の好きな人の呼びかけを無視してしまったのだ。

誰かさんが、私を悩ませるから。




｢A｣

｢っわ、あ……ち、ち、千切く…｣

｢なーに無視してんの？俺の事振り回そうとしてる？｣

｢え！？ち、違っ……！｣




千切くんは私の頬を軽く摘んで意地悪く笑う。

触れられたところが熱くて、心臓はうるさいくらいに脈打っている。

意地悪く笑う千切くんもかっこいい。

違う、この人は何をしてもかっこいいのだ。

ただ話しているだけでも、頬杖ついていても、ぼーっとしていても


何をしていてもかっこよくて様になる。




｢1人で学食とか珍しいじゃん、アイツらは？｣

｢あ、デカ盛りどっちが食べ切れるか勝負するって……｣

｢うわ、暑苦しー｣



そして私が座っている目の前にナチュラルに座る千切くんに、私の思考はフル回転していた。

食べ方は汚くないかとか、箸の持ち方、特に歯になにかくっついてないかとか色々気になって仕方がない。




｢なぁ、飯食った後暇？｣

｢え？う、うん｣

｢講義は？｣

｢きょ、今日はもう終わり……！｣

｢っしゃ、んじゃ食い終わったら連……｣




そう言うと、急にスマホを眺める千切くん。

どうしたのだろうかと少し見ていると、困った顔で私を見て




｢連絡先、交換してくんね？｣



と、そう言った。
断る理由なんてなくて、すぐ交換した。

私の端末に千切豹馬の文字が入っているのが幸せすぎて一生ニヤつけると思いながら口元が緩んでしまう。




｢んじゃ、食い終わったら迎えに来るから連絡しろよ？｣

｢あ、う、うん……！｣




そして気遣いも完璧と言わざるを得ない。

ご飯を1人にしてくれるなんて、今不安しかない私にとってすごく有難かった。

準備をする時間もあるし、落ち着く時間も作れる

本当に千切くん、前世も王子だったのではないかと言いたくなるほどに完璧だ。


｢んふふ…｣


この時の私は傍から見たら相当やばい人種だろう

スマホの端末を見て千切くんの名前を見れば見るほどに口角が緩くなっているのだなら。

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