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突然声をかけられて顔を上げてしまう。
潔くんの声でも國神くんの声でも、千切くんの声でもない人が私を呼ぶなんて珍しいことが起こったからだ。
Aって苗字を呼ばれても私ではない可能性だってあるはずなのに
私はなんて自意識が過剰なんだと、頭なんか上げなきゃ良かったと
後悔してしまうことになるのに。
｢やっぱり、Aじゃん！｣
｢えー！何〜？知り合いー？｣
｢知り合いってか、同じクラスだった女子！｣
そう言われてもピンと来ず、誰だろうかと思っていると名前を頼んでもいないのに名乗ってくれたおかげで思い出してしまう。
そう、私はこの男が苦手なのだ。
スクールカースト上位の人にくっ付いて大きな声で自己主張するような、そして、自身をそれだと思っているから。
高校卒業して、もう何も関係ないのにどうして絡んでくるのだろうか。
そもそも、私はスクールカースト範囲外で覚えてもらうほどの存在でもない。
｢この子、イケメンにしか興味なくて彼氏全員イケメンだったんだよ、なぁ？｣
そしてこのことを何故、私が今公衆の面前で大きな声で言われなくては無いのだろうかと胸が苦しくなる。
カッコイイ人が好きで、何が悪いのだろうか。
好きな人は皆等しくかっこよく見えるものではないのだろうか？
カッコイイ、素敵だ。そう思うから、好きになるのでは無いのだろうか？
好きな人が、奇跡的に私を選んでくれたことをなぜそんな風に言われなければいけないのだろう
そう思っていても、私は今ニヤニヤ笑いながら私を見下している彼には何も言えない。
｢すんません、なに俺の女泣かしてんの？｣
腕が後ろから引っ張られて、まるで守ってくれているみたいに私の前に立ってくれる千切くんにまた私は心が引っ張られる。
俺の女、それが聞き間違えだとしてもその場凌ぎの言葉だとしても冗談だとしても
私が喜ぶには充分過ぎるほどの言葉の力で今すぐにでも倒れてしまいそうになる。
今ここで命を全うしても悔いは無い、そう思うくらいに。
｢Aほんとイケメンとしか付き合わねえじゃん｣
｢っははっ｣
｢は？｣
彼の言葉に千切くんは笑い始めて、私にこいつと付き合ったことあんの？そう聞いた。
私自身この人が苦手だから、ありえないという気持ちを込めて首を横に降ると
千切くんはもっと笑い出して、私も彼もその場にいる彼の友達のような人たち全員がポカンとしてしまった。
｢悪ぃ、こんなのと付き合ってなくてよかったーって思ったら安心しちまった｣
そう言いながら私の頭を撫でてくれる千切くんに言いたい。
私、倒れるかも。
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ゆい - こんな素敵な小説初めて読みました。続きが超超超楽しみです！何だかもう生きる励みになります…🥲これからも応援してます！！ (2月4日 7時) (
レス) id: 2a419589a1 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - あぽろさん» わぁー！！！ありがとうございます！！めっちゃ嬉しいです！これからもゆっくり更新することになりますがよろしくお願いいたします!!!! (1月5日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ - この小説大好きです！！キュンキュンしまくりでスクロールする手が止まりません！これからも頑張ってください！！💗 (1月4日 0時) (レス) @page13 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - ちささん» ちささん！ありがとうございます！前作から……！嬉しいの極みです！！！！不定期更新で申し訳ありませんが千切の魅力、頑張って出せるように頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (12月13日 14時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 「青春とは、恋愛である。」からきました！前作もすごく好きなのですが、なにせ千切くん推しなもので、すごく楽しみです…！現時点でもう大好きです！！更新楽しみに待ってます！ (12月12日 3時) (レス) id: 3ee6d9cd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もむ | 作成日時：2023年12月11日 23時
