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國神くんに後で仕置をしないといけないと思いながら私は小走りで彼の元に向かった。
____「千切お嬢様は時間通りになんて来ねぇ、1時間は待つ覚悟しとけ」
嘘つきは泥棒の始まり。この言葉を國神男子に押してえて差し上げたい。
この言葉を鵜呑みにして1時間後に出ていたら私は遅刻してくる嫌な女という認識になってしまう。
折角友人の友人という知り合いと言えるまでの関係までに昇格しているかもしれないのに。
嫌な女になんてなったら、一生千切くんともう仲良くなることの出来ない人生だった。
「す、す、すみませ……!遅刻…」
「してねぇしてねぇ。寧ろ野良猫が俺の後着いてきてやがったから丁度良かった」
千切くんの美貌は猫をも魅了してしまうのかと衝撃を受けてしまう。
背中に雷でも打たれたかのような、そんな衝撃を。
普通に生きてて野良猫が着いてくる、なんて言葉使う機会無いに等しい。
千切くんは、やはり別次元の王子様だと再認識して勝手に落ち込んでいると
「どした?具合、悪い?帰っか?」
「ううん……!だい、大丈夫…!」
そうかぁ?と言いながら首を傾げると、千切くんは何を思ったのか私の額に手を当て始め熱を測り始めた。
千切くんにすごく言いたい。
その計測方法は、信憑性がないと。
千切くんに触れられてるところ全部が熱くて、心臓が飛び出そうなほど高鳴っている。
千切くんが測るのと、他の人が測るのでは意味が違ってくるのだと言いたい。
「あっちぃじゃん。無理させたくねぇし、送る」
「ち、違っ……こ、これは、本当に緊張で、体調は至って良好というか、千切くんに触れられてるから、す、すごく緊張してて、だから、全然本当に大丈夫……!」
目がグルグルして頭では何を考えているのかとかそんなことを考える余裕もなく、思っていることをただ早口で一気に息を吸うことも忘れて言うと
千切くんは、唖然としていて
あぁ、緊張のあまり私は絶対今やらかした事を言った。そう悟って謝ろうとすると
次の瞬間には吹き出して笑っている千切くんが目の前にいた。
「ち、千切くん……?」
「悪ぃ、俺今、初めて女子のこと可愛いって思った」
さらっと可愛いと言ったような気がしたのはきっと気のせいだ。
私の聞き間違いに違いない。
笑い声と混ざってそう聞こえた、都合のいい耳なだけ。
勘違いしたらいけないと思っているのに
今回は、千切くんが全面的に悪いと私は言いたい。
「可愛い可愛いAちゃん?行きますか」
私の名前を呼びながら手を差し出すのだから。
平民が夢見てしまう。
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ゆい - こんな素敵な小説初めて読みました。続きが超超超楽しみです!何だかもう生きる励みになります…🥲これからも応援してます!! (2月4日 7時) (レス) id: 2a419589a1 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - あぽろさん» わぁー!!!ありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!これからもゆっくり更新することになりますがよろしくお願いいたします!!!! (1月5日 22時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ - この小説大好きです!!キュンキュンしまくりでスクロールする手が止まりません!これからも頑張ってください!!💗 (1月4日 0時) (レス) @page13 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
もむ(プロフ) - ちささん» ちささん!ありがとうございます!前作から……!嬉しいの極みです!!!!不定期更新で申し訳ありませんが千切の魅力、頑張って出せるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! (12月13日 14時) (レス) id: 4f36815b2b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 「青春とは、恋愛である。」からきました!前作もすごく好きなのですが、なにせ千切くん推しなもので、すごく楽しみです…!現時点でもう大好きです!!更新楽しみに待ってます! (12月12日 3時) (レス) id: 3ee6d9cd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もむ | 作成日時:2023年12月11日 23時