番外編 sleepiness ページ27
河村side
珍しくオフィスには俺とAちゃん2人きりだった。
並んでソファに腰掛け、それぞれ自分のパソコンと向き合い作業をする。
俺は企画の台本を作っていたが、なんとなく頭が冴えなくて捗らない。
一方彼女はみんなの記事を添削しているのだろう、ブツブツと言葉を呟きながら手を動かしていた。
「河村さん、疲れてます？」
「え？」
突然彼女は俺を見て言うので少し驚く。
「珍しく誤字脱字が多いので…」
「俺の記事見てたのか…ごめん直すわ。」
「いえ、もう直しました。」
「悪い、助かる…」
淡々と仕事をこなすクールビューティという言葉がしっくりくるな、と思いながらまたパソコンに視線を戻す彼女の横顔を見た。
疲れてるのか、と聞かれて初めて自分が疲れている事を自覚した気がする。
ここ最近、まともに寝られていなかったから…。
「調子悪いですか？」
「寝る時間はあるのに、いざふとんに入っても寝付けないんだ…」
「そうでしたか…」
心配そうな表情を浮かべた彼女は徐ろに立ち上がってキッチンへと向かい、マグカップを2つ持って戻ってくる。
「どうぞ、ココアでも飲んでリラックスしましょう。」
「ありがとう」
ふわっと微笑む彼女を見ると心の靄が晴れたように感じた。
日々の中で感じる小さいストレスだったりちょっとした不安を、全て彼女が取り払ってくれるような気がする。
Aちゃんと話していると心地いいと感じるのは、彼女がこっちの求めているテンションに調子を合わせてくれるからだと思う。
「…川上はいいな、Aちゃんといたら気持ちよく寝られそう。」
「え〜、川上さんめっちゃ夜更かししますよ。あたしが先に寝ちゃうくらい。」
そんな話をしていたら小さく欠伸が出た。
…眠いって感じたの、なんか久しぶりな気がするな。
Aちゃんと話していたおかげか。
すると彼女はくすりと笑いソファから立ち上がった。
「どうぞ、少しここで横になってください。いい時間になったら起こします。」
そう優しく毛布をかけられて目を閉じた。
どうして彼女はこんなに人を惹きつけるのか、とにかく不思議なんだよね、クールビューティかと思えば今度は女神。
なんていうか妹であり姉のようでもあり、オカンのようでもある包容力。
ずっと眠れなかったのにあっさり眠りに落ちていて、時折ずり落ちた毛布をかけ直してくれたことに気づいた。
川上はずるい、この子が隣にいれば俺は毎日快眠のはずなのに。
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なぁ(プロフ) - 咲良さん» そう言って頂けると嬉しいです。ありがとうございます、楽しみにしています！ (2019年2月19日 21時) (
レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» いえ、とても素敵なテーマです、是非考えさせて下さい。せっかくだし川上さんオンリーからみんな目線も考えてみたいので、短編集などで登場させたいと思います！本当にありがたいお話です！ (2019年2月19日 21時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - よくよく考えずとも、お返事頂けた嬉しさで調子に乗っておりました…。いつかの機会に、気が向いたら程度に思ってください。すみませんでした…！ (2019年2月19日 17時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - 咲良さん» ご検討有難うございます！こちらこそ、図々しくすみません。むしろ、別作品なんて良いのでしょうか？？泣いて喜ぶんですが…(；・∀・) (2019年2月19日 13時) (レス) id: 14a8b3f8b0 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - なぁさん» ごめんなさい、前言撤回します。いただいたテーマ、私の文章力では1話にとどめられそうにありません。また別の作品として描かせていただくことは可能ですか？ (2019年2月19日 0時) (レス) id: e819abafbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲良 | 作成日時：2018年11月24日 20時
